BBCの報道 によると、イギリスのデボン州で最先端のロボット誘導システムを用いた画期的な臨床試験が進行中です。この2年間の試験は、エクセターにあるロイヤル・デボン大学医療NHS財団トラストが主導しており、重度の関節炎を治療するための人工股関節置換術における患者の回復と満足度を向上させることを目指しています。
HIPSTER試験とは?
この臨床試験は「HIPSTER試験(Hip Surgical Techniques to Enhance Rehabilitation)」と呼ばれ、世界初の試みです。手術中に切断する腱の数を減らすことで、回復期間の短縮、リハビリ成果の向上、そして患者の痛みの軽減につながるかどうかを調査しています。
リード研究看護師のリジー・ゴードン氏は、以下のように説明しています:
「人工股関節置換術を受けた患者のうち10%は、1年経過後も痛みを抱えています。もしこの新しい手法が他より優れていることが証明されれば、患者満足度を高め、回復を早めることで、多くの人々に利益をもたらすでしょう。」
手術手法の革新
従来の人工股関節手術では、股関節周囲の腱を3本切断するのが一般的です。しかし、この試験を指揮するアル=アミン・カッサム氏は、1本または2本の腱だけを切断する方法が、患者の長期的な回復にどのような影響を与えるかを検証しています。
「腱を1本または2本に留めて切断する方法が、患者の回復に良い影響を与えるかどうかを調査しています。これが実現すれば、患者の長期的なアウトカムの改善に役立つでしょう。」
モニタリングと今後の計画
試験に参加する患者は、術後12ヶ月間にわたって経過を詳細にモニタリングされます。この方法がより良い成果をもたらすと証明された場合、イギリス国内および国際的に普及させる計画が立てられています。
試験の進捗状況とスケジュール
- 開始日: 2023年8月
- 終了予定日: 2025年8月
- 登録患者数: 246人(目標は309人)
現在も試験参加者を募集しており、得られるデータは、世界的な人工股関節手術技術の向上に役立つと期待されています。