トヨタ自動車が支援する自動運転車の企業「Pony.ai」は、香港でのロボタクサービスの提供を発表し、同市でのBaidu(百度)の自動運転車と競合することを目指しています。この展開は、同社が国際市場への進出を続ける中で重要な一歩を意味します。
空港スタッフ向けの初期サービス提供予定
Pony.aiは、初期段階で香港国際空港をターゲットに、空港スタッフ向けのロボタクサービスを提供する計画です。具体的なサービス開始時期は明かされていませんが、先月には第6世代ロボタクを空港で披露し、すでに自動運転車を導入する準備が整っていることを示しています。
グローバル展開と資金調達の成功
Pony.aiのこの拡大は、同社が成長を支えるために十分な資金を調達したタイミングでもあります。2023年11月にはNasdaq上での新規株式公開(IPO)と同時に、4億1340万米ドルを調達しました。この資金をもとに、自動運転車の開発と展開をさらに加速させる予定です。Pony.aiは現在、250台以上のロボタクシーと190台以上のロボトラックを世界中の市場で運行しています。
香港でのBaiduのApollo Goとの競争
Pony.aiの香港進出は、すでに香港運輸署からApollo Goの自動運転タクシーサービスの実証実験を承認されたBaiduとの競争を意味します。Baiduは、10台の自動運転車を用いた試験を行う許可を得ており、そのライセンスは2029年12月まで有効です。このライセンス取得は、Baiduが国際展開を進める上での「重要なマイルストーン」とされています。
Pony.aiの技術的進展と市場の可能性
Pony.aiは、Baidu出身のエンジニアであるJames Peng氏とLou Tiancheng氏によって設立されました。同社は、広州、北京、上海、深センなどの主要都市で完全自動運転タクシーサービスを提供する許可を得ています。これにより、Pony.aiは今後、香港をはじめとする国際市場で急速に成長し、業界のリーダーとしての地位を確立しようとしています。
米国でのテスト中断と国際市場への移行
Pony.aiとBaiduの国際展開は、地政学的な緊張が影響を及ぼし、中国の大手自動運転テクノロジー企業が米国での路上テストを縮小または中止する動きを見せている中で進められています。これらの企業は、米国以外の市場、特に香港でのテストを強化しており、今後も自動運転車の開発と商業化を加速させると見られています。
Pony.aiの将来展望
Pony.aiが香港市場に進出することは、同社が自動運転車業界で重要なプレーヤーとしての地位を確立するための戦略の一環です。確固たる財政基盤を持ち、世界中で増加する自動運転車のフリートとともに、同社は今後も急速に成長し、業界のリーダーとして競争し続けると予想されています。