JSR、DeepSeekの低コストAIモデルを半導体業界の追い風と評価
半導体材料を手がけるJSR株式会社は、DeepSeekによる低コストAIモデルの登場が、長期的な半導体需要の増加につながると見ている。JSRの執行役員である江本健一氏によれば、新たなAI技術の台頭により市場の変化はあるものの、同社の事業に大きな影響を与えることはないという。
EUVリソグラフィ向け材料供給で市場を牽引
JSRは、台湾積体電路製造(TSMC)、インテル、サムスン、ASMLホールディングNVといった世界的な半導体メーカーに、EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術に不可欠なフォトレジストを供給している。EUV技術は、微細な回路パターンの形成を可能にし、最先端の半導体製造において不可欠なプロセスだ。
日本の半導体材料業界の統合を目指すJSR
2024年、JSRは日本政府系ファンドであるJapan Investment Corp.(JIC)による買収を受け、上場廃止となった。これを契機に、同社は日本の半導体材料産業の統合を推進し、競争力の強化を目指している。
国内企業間の協力強化が課題
江本氏は、半導体材料産業が直面するグローバルな投資競争に対応するためには、日本国内の企業間連携が重要であると指摘。しかし、現在のところ具体的な統合や提携に向けた進展は限定的であり、今後の動向が注目される。
JSRは、半導体製造の最前線で求められる高度な材料技術を支える企業として、新たなAI技術の発展を追い風としながら、業界の競争力強化を図っていく構えだ。
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