Appleは、製品への人工知能(AI)の統合を模索しており、次に恩恵を受けるデバイスとしてAirPodsが浮上している。報道によると、Appleは外部カメラを搭載したAirPodsの開発を進めており、ユーザーの周囲環境とのインタラクションを強化する可能性がある。
カメラ搭載AirPodsの開発状況
BloombergのMark Gurman氏(9to5Mac経由)によると、AppleはAirPodsにカメラを搭載する技術を”積極的に開発”しているとされる(Bloomberg)。
現時点で2025年内に「AirPods Pro 3」が登場すると予想されているが、カメラ搭載モデルはさらに先のバージョンで導入される見込みだ。Appleの目標は、AirPodsが環境情報を取得し、iPhoneのカメラを使用せずに視覚的なデータ処理を可能にすることだという。
Appleの視覚知能とAI戦略
Appleは最近、iPhone 16に「Visual Intelligence」を導入し、リアルワールドのオブジェクトに関する情報を取得できる機能を提供した。カメラ搭載AirPodsが登場すれば、iPhoneを手に取らずとも同様の機能が利用できるようになる可能性がある。これにより、SiriやChatGPT、GoogleのAIツールを活用しながら、ユーザーが視覚的情報を取得することが可能になる。
Appleは、スマートグラスの開発ではなく、AirPodsをAIウェアラブルとして強化する方向にシフトしていると見られる。この動きにより、ハンズフリーでの音声アシスタントや環境認識機能が向上し、より直感的な操作が可能になるだろう。
空間認識の強化とVision Proとの連携
アナリストのMing-Chi Kuo氏は、カメラ搭載AirPodsが空間認識機能を強化する可能性があると指摘している(Medium)。9to5Macの報道によると、カメラ付きAirPodsはApple Vision Proや将来のヘッドセットと連携し、より没入感のあるオーディオ体験を提供できる可能性がある(9to5Mac)。
例えば、コンテンツ視聴時に頭を特定の方向に動かすと、対応するエリアの音が強調されるといった機能が想定される。これはAppleの「空間コンピューティング」戦略の一環として、オーディオ技術のさらなる進化に貢献するとみられる。
発売時期と今後の展望
Appleがカメラ付きAirPodsを導入するのは早くても2027年になると予想されており、おそらく「AirPods Pro 4」のリリースと同時期になる見込みだ。
Appleは引き続きAI技術の統合を進めており、ウェアラブルデバイスがその戦略の重要な役割を担うことになりそうだ。カメラ搭載AirPodsが登場すれば、視覚情報を活用した新たな体験が可能になり、Appleのエコシステム全体の進化を加速させることになるだろう。