OpenAIは現地時間4月7日(月)、新たな大規模言語モデル「GPT-4.1」およびその軽量バージョン「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」を正式に発表しました。これらのモデルは、特にコーディング、指示理解、長文コンテキストの把握といった実用分野で著しい改善を見せており、従来の最上位モデル「GPT-4o」を上回る性能を誇ります。
コーディング性能が21%向上、長文処理も大幅に強化
OpenAIによると、GPT-4.1はGPT-4oに比べてコーディングタスクで21%、GPT-4.5と比較すると27%のパフォーマンス向上を記録しています。長文コンテキストの処理能力も飛躍的に強化されており、最大100万トークン(文字や記号などの最小単位)までの情報を扱えるようになりました。
これにより、長編の会話や複雑な文書の処理、AIエージェントの開発などでの応用が大きく進むと見られています。
実用性と低コストが強み、GPT-4.5プレビューは7月に終了予定
新モデル群はOpenAIのAPIを通じて提供され、特に開発者向けに設計されています。CEOのサム・アルトマン氏はSNS「X(旧Twitter)」で「ベンチマークは素晴らしいが、我々は実世界での有用性に焦点を当てた。開発者たちから非常に好意的な反応を得ている」と述べています。
さらにGPT-4.1シリーズは、GPT-4.5よりも「はるかに低コスト」で運用できる点も大きな特長です。OpenAIは、API上で提供しているGPT-4.5プレビューを2025年7月に停止すると発表し、「GPT-4.1シリーズのほうが性能的に優れており、コスト効率も高い」としています。
ナレッジ更新も2024年6月まで拡張
GPT-4.1モデルは、2024年6月までの情報を反映しており、時事性のある質問やトピックに対しても精度の高い回答が期待できます。
開発者と企業への大きなインパクト
この発表により、OpenAIは再び生成AI市場での優位性を示しました。より高性能で、より低コスト、かつ最新知識を搭載したGPT-4.1シリーズは、企業やアプリ開発者にとって非常に魅力的な選択肢となりそうです。今後の実用展開とさらなるアップデートにも注目が集まります。