日本国内で、富士通を含むコンソーシアムがオンライン上の偽情報を検証するAI型ファクトチェック基盤の開発を進めています。この取り組みは、災害時や選挙前に拡散しやすい誤情報に迅速に対処することを目的としており、Kyodo Newsによれば、国立情報学研究所やNEC、複数の学術機関を含む9団体が参加しており、2025年度末の完成を予定しています。
■ インターネット情報の真偽を数秒で判断
このAIは、ネット上で共有されている情報を分析し、裏付けとなるデータを自動的に収集・評価することで真偽を判定します。
富士通のシニアプロジェクトディレクターである山本大氏は、
「自分で真実を確かめようとすると多くの確認作業が発生しますが、このシステムがあれば素早く判断できるようになります」
と説明しています。
5月末には、「能登半島地震の直後に外国人窃盗団が現地に押し寄せた」という噂について試験的にAIに判定を依頼。数秒後には「誤情報」と判断され、信頼性の高い新聞記事を根拠として提示しました。
■ 6億円規模の国家プロジェクト、深層偽造も判別可能
開発中のシステムには偽情報対策に特化した大規模言語モデルが使用されており、
- テキスト情報の真偽判定
- AI生成による画像・動画(いわゆるディープフェイク)の検出
にも対応しています。
このプロジェクトは、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から60億円の資金提供を受けており、政府も強い関心を示しています。
開発側によれば、AIは画像や動画に含まれる不自然な特徴や矛盾した要素を識別し、誤情報の拡散抑止に役立つとのことです。
■ 偽情報拡散が社会的問題に
近年、日本国内でも災害時に出回るフェイク映像や選挙に関する誤情報が大きな問題となっており、今回の共同プロジェクトはこうした流れを背景に進められています。
完成後は、政府機関だけでなく報道機関や一般ユーザーも活用可能となる見込みで、迅速なファクトチェックと信頼性の確保に大きく貢献すると期待されています。
出典: en.tempo.co
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