消費者向け電子機器からAIインフラへ
長年アップルのiPhone生産を支えてきた台湾の大手テクノロジー企業フォックスコン(Foxconn)は、事業の大きな転換期を迎えています。これまでスマートフォンやPCの組み立てを中心に展開してきた同社は、今後は人工知能(AI)を支えるサーバー製造に注力する方針を打ち出しました。
AI需要拡大で新たな成長分野へ
生成AIやクラウドコンピューティングの普及に伴い、AIサーバーの需要は急増しています。フォックスコンはこれを背景に、中国やインドの巨大工場でiPhoneを生産してきた体制から一歩踏み出し、データセンターやAIモデルを支える高性能サーバーを製造する企業へとシフトします。これにより、従来の「裏方」としての役割から、次世代インフラを担う中心的存在へと変貌を遂げようとしています。
アナリストの評価と新分野への進出
Business Insiderによると、バークレイズのアナリストであるJiong Shao氏、Lian Xiu Duan氏、Xinyao Song氏は、「フォックスコンはスマートフォンやPCの組み立てといった従来事業から、AIサーバー、電気自動車(EV)、ヒューマノイドロボットといった新しい成長分野の重要プレイヤーになりつつある」と指摘しています。
AIサーバーが未来を支える基盤に
AIサーバーは大規模言語モデルの学習からリアルタイム分析まで、現代の計算基盤を支える中核技術です。これらのサーバーには、GPU、高速ネットワーク、先進的な冷却システムといった特殊な部品が必要とされます。フォックスコンはすでにNvidia、Supermicro、Dellといった企業と提携し、この分野での存在感を強めています。
今後の展望
フォックスコンのAIサーバー分野への本格参入は、急速に変化するテック業界での競争力を維持するための戦略的転換です。iPhoneの製造を支えてきた同社が、今度はAIインフラを担うグローバルリーダーとしての地位を築けるか、注目が集まります。