衛星サービスを手掛けるアストロスケールジャパンは、日本の内閣府主導で、科学技術振興機構(JST)が推進する「Kプログラム」の下で、宇宙空間での燃料補給技術の開発を担当することが決定しました。このプロジェクトは5年間にわたり、総額で最大1億2,220万オーストラリアドル(約114億円)の予算が割り当てられています。
「Kプログラム」は、日本のグローバル競争力を維持するために不可欠な技術の研究開発を支援する目的で設立されました。アストロスケールジャパンは、衛星の寿命延長に貢献する燃料補給技術の開発に選ばれ、事前準備された衛星のために宇宙空間での燃料補給技術を開発し、実証することになります。
衛星寿命延長のための主要技術
アストロスケールは、低軌道(LEO)での化学推進剤を使った燃料補給技術を実証するため、既存のランデブーおよび近接操作技術を活用します。また、さまざまな推進剤の地上検証を行い、最終的には静止軌道や電気推進システムの燃料補給技術のスケーラビリティを目指します。このプロジェクトは、衛星の寿命を延ばすことによって、新たな衛星の打ち上げ頻度を減少させ、燃料制約を克服してより柔軟なミッションを実現することを目指しています。
この取り組みは、宇宙空間での循環型経済の推進を目指すアストロスケールの広範なミッションの一環です。オン・オービット・サービス(軌道上でのサービス)の一環として、燃料補給、修理、衛星の除去などを行い、宇宙資源の持続可能で効率的な利用を目指します。特に、燃料補給は、新たな衛星の打ち上げの必要性を最小限に抑え、衛星の寿命を延ばし、長期的なミッション柔軟性を提供する上で重要な役割を果たします。
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