全固体電池技術の前進
ホンダは、栃木県のサクラ市にある研究開発施設で、全固体電池のデモンストレーション生産ラインを公開しました。この施設は、ホンダの自動車、オートバイ、航空機向けのバッテリー技術革命に向けた重要な一歩を象徴しています。
27,400平方メートルの広さを誇るこの生産ラインでは、ホンダが製造プロセスの各段階を調整し、材料の混合、電極のコーティング、ロールプレス、およびモジュールの組立てを行います。ホンダは、この施設を利用して生産の各プロセスを検証し、量産体制の確立を目指しています。
2025年に生産開始予定
ホンダは、2025年1月にこのデモンストレーションラインでの生産を開始する予定です。注目すべき技術革新の一つは、ロールプレス技術で、これにより固体電解質層の密度が向上します。この進歩により、効率が増し、組み立てが迅速化され、コスト削減も期待されます。また、全固体電池の高い耐熱性を活かして冷却構造を簡素化することが可能です。
重要なマイルストーンとしての発表
ホンダR&D社長の大津慶司氏は、この開発が日本とホンダにとって重要なマイルストーンであると述べています。「全固体電池のデモンストレーション生産ラインの運用開始が見えてきました。ホンダと日本にとって、これは重要な一歩です」と大津氏はコメントしています。
競争環境の中で
ホンダだけではなく、他の企業も全固体電池技術の開発に取り組んでいます。トヨタは、2027〜2028年に商業化を目指していると発表しており、日産は2018年からこの技術の開発を進め、2026年にテストを開始し、2028年には量産を予定しています。
電動化の未来
全固体電池は、より高いエネルギー密度、迅速な充電時間、安全性の向上を約束しています。ホンダは、新しいデモンストレーション生産ラインを通じて、電動モビリティ革命をリードする主要な競争者としての地位を確立しようとしています。