ソフトバンクグループは、米半導体大手Intel(インテル)に対し20億ドル(約3,100億円)を投資することで合意しました。この出資により、ソフトバンクはインテル株式のおよそ2%を保有するとみられています。
同社の会長兼CEOである孫正義氏は、
「今回の戦略的投資は、米国における先端半導体製造と供給がさらに拡大していくという当社の確信を反映するものです。インテルは革新をリードする信頼できる企業です」
とコメントしています。
発表後、ニューヨーク市場ではインテル株が時間外取引で5%超上昇した一方、東京市場のソフトバンク株は約4%下落しました。
■ 米政府も最大10%の出資を検討か
一部報道によると、米政府もインテルに最大10%の出資を検討しているとの見方が浮上しています。仮に10%の出資が実現した場合、資産運用大手Vanguardを上回る筆頭株主となり、インテルを国家戦略上の重要企業として位置付ける動きとなります。
■ インテル再建を支える“追い風”
インテルは近年、業績悪化と技術面での停滞が続いており、4か月前にCEOに就任したLip-Bu Tan氏が再建に着手しています。
同氏は今回の出資について、
「ソフトバンクは革新的なテクノロジー分野で長年にわたり協力してきたパートナーであり、米国における技術・製造のリーダーシップをさらに強化できる」
とコメント。孫氏とも長年協力関係にあることを明かしています。
■ 半導体は米国の“国家戦略”へ
米国政府はAIや先端製造の主導権を握るため、半導体企業への支援を強化しており、インテル出資の動きもその一環とみられます。米政府が最大100%の関税を検討しているとの報道もあり、国内メーカーであるインテルには追い風となる可能性があります。
また、先日はNvidiaおよびAMDが中国向けAIチップ売上の15%を米政府に支払うことで合意したばかりで、米政府の関与は一段と深まっています。
ソフトバンクにとって今回の出資は米国事業のさらなる拡大につながる一方、インテルにとっては再建および技術革新の大きな後押しとなる可能性があります。米政府の動向ともあわせて、今後の展開に大きな注目が集まります。
出典:ガーディアン