米マイクロソフトは、自社の生産性ツール群「Microsoft 365」における生成AIの活用をさらに拡大し、表計算ソフト「Excel」に新たなAI機能「COPILOT」を追加すると発表しました。この機能はすでに一部のベータユーザー向けに段階的に提供が開始されており、今後数週間から数か月以内に一般提供が開始される見込みです。
自然言語でExcelを操作可能に
「COPILOT」機能を利用することで、ユーザーは自然言語による指示をExcel上で直接入力できるようになります。これにより、複雑な作業を効率化し、時間の節約が期待できます。具体的には以下のような操作が可能です。
- 要約機能:長文やセル範囲の内容を簡潔に要約
例:=COPILOT("このフィードバックを要約する", A2:A20)
- サンプルデータ生成:デモ用のデータ作成
例:=COPILOT("5種類のアイスクリームフレーバー")
- 分類・タグ付け:テキストの感情分析やカテゴリ分け
例:=COPILOT("感情を分類する", B2:B100)
- テキスト生成:製品説明などの簡単な文章生成
例:=COPILOT("この製品の仕様に基づいて説明を作成します", B2:B8)
マイクロソフトは「スプレッドシート内で自然言語のプロンプトを入力するだけで、AIが瞬時に結果を返す」と説明しています。
利用上の制限と注意点
ただし、この新機能は万能ではありません。マイクロソフトは公式に「正確性や再現性を必要とする計算業務には使用しないように」と警告しており、特に数値計算や財務報告、法的文書などには適さないと強調しています。
さらに利用回数にも制限があり、10分間に最大100回、1時間あたり最大300回までとされています。また、外部のウェブデータや企業内文書へ直接アクセスすることはできません。
これらの制約は、生成AIが誤回答や「幻覚」と呼ばれる不正確な情報を出力するリスクがあるためとみられます。
サム・アルトマン氏の懸念とデータプライバシー
OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、「ChatGPTに対して人々が過度な信頼を寄せていることに懸念を抱いている。AIは幻覚を起こす技術であり、本来はあまり信用すべきではない」と指摘しています。
一方で、マイクロソフトはデータの安全性について「ユーザーが入力したデータはAIモデルの学習には利用されず、依頼された出力の生成以外には使われない」と明言。プライバシー保護にも配慮しているとしています。
今後の展望
現時点ではベータ版の段階であり、ユーザーからのフィードバックに基づき機能が改善される可能性があります。正式リリースに向け、利便性と精度の向上が期待されますが、利用には別途Copilotライセンスが必要です。
出典: Windows Central