Appleは2025年に独自のセルラーモデムチップを導入する準備を進めており、2027年までにQualcommの部品を段階的に廃止する計画です。この取り組みは、2019年に10億ドルでIntelのモデム事業を買収したことに端を発し、次世代iPhone SEを含むApple製品の接続性能を向上させることを目的としています。
QualcommからApple独自チップへの移行
Bloomberg Newsによると、Appleはこの新しいモデム技術をエントリーモデルであるiPhone SEに搭載する予定で、同モデルは2022年以来初のアップデートとなります。このSEのリリース後、Appleはさらに高度なモデムを将来のデバイスに順次導入する計画です。
現在、Qualcommは2026年までAppleにモデムチップを供給する契約を結んでいますが、同社はAppleが最終的にその技術を使用しなくなる計画を認めています。Qualcommは、Appleからの収益減少を補うため、ラップトップやAI対応データセンターなどの新市場への展開を加速させています。
Appleのモデム開発の経緯とBroadcomとの提携
Appleは2019年、Intelのモデム事業を買収した後、自社モデムの開発を本格化させました。同社はモデムエンジニアリングチームを、Apple製デバイス用のカスタムプロセッサを設計するチームと統合し、技術革新を推進しています。
さらに、Appleは昨年、Broadcomとの間で数十億ドル規模の契約を結び、5G対応の無線周波数部品を開発することを決定しました。この契約は、現在Appleに部品を供給しているSkyworks SolutionsやQorvoなどの企業に影響を与える可能性があります。
Appleは独自チップ開発を進めることで、デバイスの性能向上とサードパーティーサプライヤーへの依存削減を目指しており、スマートフォン業界に新たな基準を打ち立てようとしています。