Googleは、2025年3月のPixelアップデートを開始しました。このアップデートは、セキュリティ、ライブ配信、コミュニケーション、健康監視機能を強化することを目的としており、一部のPixelデバイスが対象となります。Googleは、このアップデートがデバイスをリフレッシュし、効率を向上させると説明しています。主な追加機能として、通話・メッセージの詐欺検出機能の強化、外部カメラの接続オプション、Pixel Studioの機能向上などが挙げられます。
詐欺検出機能の強化
増加する迷惑電話や詐欺メッセージへの対策として、GoogleはPixelデバイス向けに改良された詐欺検出機能を導入しました。この機能は、オンデバイスAIを活用して、詐欺に関連する会話パターンを検出すると警告を表示します。
この機能の重要な点は、検出と処理がすべてオンデバイスで行われることです。つまり、通話の音声や文字起こしデータはデバイス外には保存されず、通話後にはデータが削除されます。
たとえば、銀行を装った人物が口座の不正利用を理由に緊急送金を求める場合、この詐欺検出機能が作動し、音声と振動による警告を発し、ポップアップ通知で詐欺の可能性を警告します。
電話の詐欺検出機能はデフォルトでオフになっていますが、設定で有効にできます。一方、メッセージアプリの詐欺検出機能はデフォルトでオンになっており、ユーザーが手動でオフにすることも可能です。
「Find My Device」アプリの位置情報共有機能
これまで、位置情報の共有といえばWhatsAppなどのメッセージアプリを利用するのが一般的でしたが、新しいPixelアップデートでは、「Find My Device」アプリを使用して信頼できる連絡先とリアルタイムで位置情報を共有できるようになりました。この機能は、友人との待ち合わせや、家族が安全に帰宅したか確認する際に便利です。
Pixel 9シリーズ向けの外部カメラ対応ライブ配信
コンテンツクリエイター向けの新機能として、Pixel 9シリーズでは外部カメラを利用したライブ配信が可能になりました。GoProや別のPixelスマートフォンを接続して、複数のカメラを活用したプロフェッショナルな動画配信ができます。
衛星通信のサポート拡張
Pixelデバイスに衛星通信機能が拡張され、Wi-Fiや携帯ネットワークが利用できない状況でも、緊急時に救助要請ができるようになりました。ただし、この機能は米国のT-MobileおよびVerizonの利用者に限定されています。
Pixel Studioのアバター作成機能
Pixel Studioでは、テキスト入力による画像生成が可能になりました。ユーザーは「ビデオゲーム風」や「3Dカートゥーン風」などのスタイルを選択し、人物やシーンの説明を入力することで、オリジナルのアバターを作成できます。
また、スクリーンショットの整理機能も強化されました。AIを活用して、スクリーンショットを適切なコレクションに分類し、簡単に見つけられるようになります。
Pixel Watchの健康監視機能の向上
Pixel Watch 3には、心肺停止などの緊急事態を検出する機能が追加されます。心拍センサーが脈拍の消失を検知すると、AIアルゴリズムが動きのデータと組み合わせて分析し、異常が確認されるとアラートを発し、必要に応じて緊急サービスに自動通報します。
この機能は2025年3月末までに提供される予定です。さらに、Pixel Watch 3ではFitbitアプリを使用した月経周期トラッキング機能が追加され、Pixel Watch 2では自動就寝モードが導入されます。
アップデートの適用方法
対象のPixelデバイスには、ソフトウェアアップデートの通知が表示されます。通知が届いたら、それをタップして指示に従ってインストールしてください。通知が届かない場合は、「設定」>「システム」>「ソフトウェアアップデート」から手動で確認できます。
なお、Pixelアップデートは段階的に展開されるため、すぐに利用できない場合もあります。時間が経てば順次適用されるので、しばらく待つと良いでしょう。