マイクロソフトとグーグル、社員に「AI活用は必須」 昇進評価にも影響
AI活用がキャリアの必須条件に
マイクロソフトとグーグルの経営陣は、社員に対して「人工知能(AI)の活用はもはや選択肢ではなく必須」と明確なメッセージを送っています。両社は社員の評価基準にAI活用を組み込み始めており、キャリアの成長や昇進において重要な要素になるとしています。
マイクロソフトの動き
マイクロソフトで開発者向けツールを統括するジュリア・リウソン社長は、6月にマネージャーへ送ったメモで「AIの利用は全ての役職において必須」と強調。社員評価の「包括的な振り返り」の中で、AIの習熟度をチームワークやデータ分析能力と同様に基本スキルとして扱うよう指示しました。さらに来年度には、AI活用度を正式な評価指標に加えることも検討されています。
グーグルの取り組み
一方、グーグルのサンダー・ピチャイCEOも7月の全社会議で「競争力を維持するため、社員はよりAIに精通しなければならない」と発言。エンジニアリング担当副社長のメーガン・カチョリア氏は、ソフトウェア開発者にAIツールの活用を義務付け、求人要件にもAIによる問題解決能力を追加しました。現在、グーグルのコードの30%以上がAIによって生成されており、前年の25%から増加しています。
社内教育と導入推進
両社は社員のAIスキル向上に向けて体系的な取り組みを進めています。
- グーグルは「AI Savvy Google」と呼ばれる社内プログラムを立ち上げ、講座やツールキットを提供。
- エンジニアには「Cider AI」コーディングツールの利用が推奨されています。
- マイクロソフトでは、GitHub Copilotを中心にAIツールの利用を前提とした業務フローが導入されており、元GitHub CEOのトーマス・ドームケ氏は「GitHubを使いたくないと言うのはあり得ない」と厳しい姿勢を示しています。
シリコンバレー全体に広がる潮流
この動きはマイクロソフトやグーグルに限りません。アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは「小規模チームをより機動的にするためにAIを学ぶ必要がある」と社員に通達。さらにShopifyでは、チームが追加リソースを申請する際にAI活用の実績を示すことが求められています。
まとめ
シリコンバレーでは共通して「AIを活用できなければキャリアで遅れを取る」という警告が広がっています。社員の懐疑的な声もあるものの、多くの労働者は「AIスキルは今後の昇進や生き残りに欠かせない」と認識し始めています。
出典: Times of India