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Huawei、AIを活用した5G-AソリューションをMWCバルセロナ2025で発表

Huaweiのロゴ。
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中国の通信機器大手Huawei(ファーウェイ)は、スペイン・バルセロナで開催された「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2025」において、AIを活用した5G-Advanced(5G-A)ソリューションを発表した。3月3日から6日にかけて行われたイベントで、同社はAIと5G技術の融合が通信業界の変革をもたらすと強調し、通信事業者が従来の接続サービス提供者からデジタルサービスプロバイダーへ移行するための新たな製品やサービスを紹介した。

AIを活用したネットワークソリューションを発表

Huaweiの取締役兼ICTビジネスグループCEOである楊超斌(Yang Chaobin)氏は、同社のAI中心のネットワークソリューションについて説明し、「高品質で低コストのオープンソースAIモデルの登場により、さまざまな革新的アプリケーションが生まれる」と述べた。このソリューションは以下の4つの分野をカバーする。

  1. 全領域接続(All-domain connectivity):すべてのネットワーク領域における接続性を強化
  2. アプリケーション指向の運用・保守(Application-oriented O&M):AIを活用した運用の最適化
  3. AI-to-Xサービスの強化(Enhanced AI-to-X services):企業、消費者、家庭向けのAI機能を向上
  4. 新たなビジネスモデルの創出(Fresh business models):データとAIを活用した収益化

5G-Aの三大変革とソリューション

Huaweiの副総裁兼ワイヤレスソリューション部門社長の曹明(Cao Ming)氏は、「モバイルAIの急成長が、ユーザー体験、運用・保守、ビジネスモデルの3つの主要な変革をもたらす」と述べた。同社はこれに対応するため、「GigaGear」「GreenPulse」「GainLeap」という3つの5G-Aソリューションを発表した。

  • GigaGear:リソースの統合と最適化
  • GreenPulse:意図駆動型の自動化
  • GainLeap:ユーザー体験と価値の収益化

業界初のAIコアネットワークを発表

Huawei Cloud Core Network Product Lineの社長であるジョージ・ガオ(George Gao)氏は、業界初となる「AIコアネットワーク」を発表した。この新しいネットワークは、**「5G-Aインテリジェントコア」「エージェンティックコア(Agentic Core)」**の2つのフェーズに分けて展開される予定だ。

特に、3つのAIエージェント(AI Agents)が導入される点が特徴である。

  • コールエージェント:従来のダイヤルパッドを意図駆動型のタスク管理ツールに変換
  • パーソナライズドエクスペリエンスエージェント:ネットワークリソースを動的に割り当て、ユーザーごとに最適化
  • デジタルカスタマーケアエージェント:自然言語処理を活用したユーザー対応

AI対応のデータストレージも発表

Huawei Data Storage Product Lineの社長であるピーター・ジョウ(Peter Zhou)氏は、通信事業者向けのAI対応データストレージソリューションを発表した。Huaweiのデータストレージは、AIレディなデータレイクソリューション、多様なストレージサービス、FlashEverビジネスモデルを提供する。具体的には、以下の3つのストレージ製品が含まれる。

  1. OceanStor Dorado:オールフラッシュ統合ストレージ
  2. OceanStor Aシリーズ:高性能AIストレージ
  3. OceanProtect:オールフラッシュバックアップストレージ

5G-AとAIの融合が通信業界を変革

Huaweiの上級副社長兼ICTセールス&サービス部門社長である李鵬(Li Peng)氏は、「5G-AとAI技術のシナジー効果により、データ利用量とユーザー1人あたりの平均収益(ARPU)が二桁成長する」と予測した。すでに200以上の都市で5G-Aの商用パッケージが提供されており、一部の通信事業者は速度や低遅延、VIP特典などを基準とした「体験の収益化モデル」に取り組んでいるという。

5G-Aの導入における課題

Huaweiの提案するAI中心の5G-Aソリューションは、通信業界にとって大きな変革をもたらす可能性があるものの、実際の導入には課題もある。

  1. 投資負担:既存のネットワークインフラからの移行には多額の投資が必要であり、特に資金的な制約がある通信事業者にとっては導入のハードルが高い。
  2. 規制の壁:AIの通信インフラへの統合は、データプライバシーやネットワークセキュリティの規制と衝突する可能性があり、各国の法制度により展開スピードが左右される。
  3. 競争環境:通信業界ではHuawei以外の企業も同様の技術に投資しており、どのソリューションが最適かの選択が重要となる。

通信事業者は、Huaweiのソリューションを含むさまざまな選択肢を検討し、AIと5G-Aの統合が実際に収益向上につながるかを慎重に見極める必要がある。

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