OpenAIのChatGPTが、写真をスタジオジブリ風のアニメーションに変換できる最新の画像生成機能を追加した。この機能により、政治家や著名人、さらにはペットまでもが「ジブリ風」のキャラクターに変身し、SNSを席巻している。
ジブリ風アートを可能にするChatGPTの新機能
ChatGPTの最新画像生成ツールは、アニメ映画『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』など、宮崎駿監督によるスタジオジブリ作品の特徴を再現。淡い色合い、細部まで描き込まれた背景、感情豊かなキャラクター表現が特徴だ。この新機能は無料ユーザーにも開放されており、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏も自身のSNSプロフィール写真をジブリ風に変更するなど、大きな注目を集めている。
ChatGPTでジブリ風AIアートを作る方法
ChatGPTを使用する場合:
- ChatGPT(最新バージョン)を開く
- プロンプトバーの「…」メニューをタップ
- 「画像」を選択
- 詳細なプロンプトを入力(例:「ジブリ風のナレンドラ・モディ首相とドナルド・トランプ氏がタージマハルで握手しているイラスト」)
- 画像をダウンロードしてシェア
Grok 3(xAI)を使用する場合(無料ユーザー向け):
- xAIのGrok 3チャットボットにアクセス
- 「ロンドンのローズ・クリケット・グラウンドでジブリ風のサチン・テンドルカールとヴィラット・コーリを描く」などの指示を入力
- 必要に応じて参考写真をアップロード
- 画像を生成してダウンロード
スタジオジブリの影響とAIアートの議論
1985年に宮崎駿、故高畑勲、鈴木敏夫によって設立されたスタジオジブリは、手描きアニメーション、自然豊かな世界観、感情表現に富んだキャラクターで世界的に評価されている。『千と千尋の神隠し』はアカデミー賞を受賞し、ジブリの美学は今なお世界中で愛されている。
しかし、今回の「ジブリ風AIアート」ブームには批判もある。宮崎駿監督は過去にAIアニメーションに対して「魂のないもの」と厳しく批判したことがあり、多くのファンやアーティストも「AIがジブリの美学を模倣することは、手描きの精神を損なう」と懸念している。
OpenAIは、「特定の生存アーティストのスタイルを模倣しないよう慎重に設計されている」と説明しているが、今回のようなトレンドが著作権やクリエイティブの倫理に関する議論をさらに深めることは避けられないだろう。
AIアートは創造性か模倣か?
「ジブリ風AIアート」は、技術革新による新たな表現の可能性を示す一方で、AIと人間の創造性の境界線をめぐる論争を巻き起こしている。AIの進化が進む中で、「創造とは何か?」という問いは今後さらに重要になっていくだろう。