中国のスマートフォンメーカーXiaomi(シャオミ)の次期フラッグシップモデル「Xiaomi 15S Pro」に、2つの注目機能が搭載される可能性が浮上しました。中国の工業情報化部(MIIT)による認証情報から、超広帯域無線(UWB)通信機能と最大90Wの急速充電に対応することが明らかになりました。
この新型モデルは「25042PN24C」という型番で登録されており、公開された文書内に「UWB無線送信機能」が明記されています。UWBは、センチメートル単位の高精度な位置測位とデバイス間通信を可能にする次世代の無線通信技術で、シャオミは過去に「MIX 4」で一度導入して以降、フラッグシップモデルからは姿を消していました。
さらに、同じ型番は今年1月に公開された3C認証記録にも登場しており、そこで最大90Wの高速充電に対応していることも確認されています。これは現在の業界平均を大きく上回る性能で、バッテリーの充電時間を大幅に短縮することが期待されます。
なぜUWBが注目されるのか?
UWBは、Appleの「AirTag」やSamsungの「SmartTag+」などにも採用されている技術で、周囲の環境をリアルタイムで高精度に把握することが可能です。シャオミはこれをMIX 4において「ワンタッチ接続」といったスマートホーム制御に応用しましたが、以後のモデルでは姿を消していました。
しかし、最近シャオミが自社EV「SU7」で自動車市場に本格参入したことで、UWBの再採用は当然の流れとも言えます。現在の自動車は、UWBによるデジタルキーや非接触ロック解除などを積極的に導入しており、シャオミのスマートフォンと車両のシームレスな連携が可能になります。たとえば、車に近づくだけでドアが自動で開き、ユーザー設定に応じたインテリア調整が自動的に行われるなどのスマート体験が期待できます。
詳細は依然として不明
今回の認証情報によって、UWBと90W充電の搭載が有力視されていますが、プロセッサやカメラ構成、ディスプレイの仕様などの詳細は依然として明かされていません。シャオミは例年、春または初夏に「S」シリーズの改良モデルを発表しており、15S Proもそのスケジュールに沿って正式発表されると見られています。
シャオミはこれまで、ハードウェアの革新だけでなく、エコシステムの拡張にも力を入れており、スマートフォンとスマートカーの統合が本格化する今後の展開には大いに注目が集まります。