Metaは、同社の今後の混合現実（MR）ヘッドセットのデザイン作業をアウトソーシングしているとの報道に注目を集めています。The Informationによる報告では、Metaが中国から一部の生産を移転し、Questヘッドセットの製造の一部をベトナムに移す計画があるとされています。この移転は、米国の次期大統領ドナルド・トランプが中国からの輸入品に課す予定の高額な関税を避けるための戦略だと見られています。

さらに、報道によると、Metaはレンズやディスプレイを含むコンポーネント設計の一部を中国のオリジナル設計メーカー（ODM）であるGoertekに移す計画があるとも伝えられています。The Informationは、Metaが2030年までにGoertekやその他のメーカーにヘッドセット開発の大部分を移行する可能性があるとも指摘しています。これは、同社がソフトウェア事業への集中を強化する一環だとされています。

しかし、Metaの最高技術責任者（CTO）であるアンドリュー・ボズワースは、特にデザインのアウトソーシングに関するこれらの主張を否定しました。最近のXでの投稿で、ボズワースは噂を否定し、「誰かがデザインに関する噂を複数のメディアに広めているが、その点は間違いだ」と述べました。さらに、「私たちはこれまで通り、ヘッドセットのデザインを社内で行っており、その方針に変更はない」と強調しました。また、「私たちは常に製造業者と一定のパートナーシップを結んでいますが、その関係において本質的な変更はありません」と説明しています。

Goertekとの継続的な協力関係

これらの主張にもかかわらず、ボズワースはMetaとGoertekのパートナーシップは今後も変わらず続くと強調しました。フォローアップの投稿で彼は、「明確に言うと、Goertekは素晴らしいパートナーであり、私たちのスタックの一部がヘッドセットごとにより成熟し、使われるようになったことで、これまで通り、Goertekがそのデザインを担当することに満足している」と述べ、「これは、私たちがそれをスケールアップしても、これまで通りのビジネス関係だ」と付け加えました。

The Informationの報告によると、GoertekはMetaの今後のMRヘッドセットの外殻設計を担当し、Ray-Ban Metaスマートグラスを含む他のMeta製品の研究開発にも大きな役割を果たすようになったとされています。Goertekはまた、今年初めにベトナムの子会社に2億8,000万ドルを投資しました。この子会社は、ヘッドホン、スマートウォッチ、VR・ARデバイスなどの消費者向け電子機器を製造することに特化していると言われています。Goertekの詳細については、公式サイトをご覧ください。

MetaとGoertekなどの製造業者との協力関係は進化を続けていますが、ボズワースのコメントからは、同社のヘッドセット設計のアプローチは変わらないことが示唆されています。Metaは引き続き社内でのデザインを重視し、製造やコンポーネント開発において外部パートナーとの協力を続ける方針です。中国からの一部生産移管が進む中でも、Goertekとの関係はMetaのMR製品の未来において重要な役割を果たし続けると考えられます。