韓国のAI音楽生成スタートアップであるPozalabsは、AIの訓練における著作権音楽の使用に関する業界での懸念に対応しています。企業は、著作権団体であるSACEM(作詞家、作曲家、音楽出版社協会)をはじめとする主要な業界関係者からの問い合わせに対し、AI技術の倫理的な開発と知的財産権の尊重を強調しました。
Pozalabsの技術と独自のデータセット
2018年に設立されたPozalabsは、AIアルゴリズムを使ってオリジナルの音楽、歌詞、ボーカルを作成できるツール「LAIVE」や「eapy」を開発しました。これらの技術は、音楽業界とテクノロジー業界から注目されています。Pozalabsの運営の中心にあるのは、1百万以上のMIDI音源サンプルと50,000のボーカルサンプルを含む独自のデータセットで、これらは社内のプロの作曲家によって厳密に作成されています。この方法により、著作権問題や盗作の懸念を回避し、高品質でオリジナルなAI生成音楽を提供しています。
SACEMの懸念とPozalabsの回答
この問題は、2024年10月にフランスの著作権団体SACEMがPozalabsに対して、許可なしでSACEMに関連する音楽をAI訓練やデータマイニングに使用しないようにという内容の書簡を送ったことから始まりました。SACEMは2023年10月に、AI技術が音楽産業に与える影響について倫理的な立場を支持する声明を発表していました。
PozalabsのCEOであるホンイル・フ(Wongil Huh)は、この懸念に迅速に対応し、許可なしで外部の音楽をAI訓練に使用していないことを明確に伝えました。フCEOは、Pozalabsが音楽生成AIを開発する際に使用しているのは、社内作曲家によって作られた独自のMIDIデータセットのみであると詳細に説明しました。このアプローチは、Pozalabsの運営の根幹をなすものであり、外部の音楽を使用することは一切ありません。
倫理的なAIへの取り組みと将来の協力の可能性
PozalabsのAI開発への倫理的なアプローチは、単なる法令遵守を超えたものです。同社は、著作権音楽を無断でAI訓練データとして使用することに反対しており、そのような行為が倫理的に問題があり、創造的なエコシステムにとって有害であると考えています。透明性を促進するため、PozalabsはSACEMの代表者をソウルのオフィスに招待し、音楽生成プロセスの詳細を共有する意向を示しています。
さらに、PozalabsはSACEMおよびその関連団体との潜在的な協力にも関心を示しており、アーティストごとの音楽生成モデルの開発を提案しています。これにより、AI技術と人間のアーティストの双方に利益をもたらす可能性があります。
倫理的なAI音楽生成の未来を示す先駆的な対応
Pozalabsの迅速で積極的な対応は、責任あるAI音楽生成の実践に対する同社の姿勢を明確に示しています。AIと著作権に関する議論は今後も続くと予想されますが、Pozalabsの透明性を重視したアプローチは、今後の業界との協力の模範となるでしょう。
Pozalabsについて
Pozalabsは、韓国のAI音楽企業で、音楽作曲のためのAI駆動型ソリューションを開発しています。同社のプラットフォーム「LAIVE」は、ユーザーがAIアルゴリズムを使用してオリジナルの音楽、歌詞、ボーカルを作成できるユニークなサービスを提供しています。Pozalabsは、音楽業界に革新をもたらすことに尽力しつつ、倫理的な実践と創造的権利の尊重を徹底しています。
詳細については、元のGlobe Newswireレポートをご覧ください。