Appleは、新型「iPad Air(M3)」を発表した。これは、2024年3月に発売された「iPhone SE(第4世代)」に続く新製品となる。Appleのティム・クックCEOは、発表の前日にX(旧Twitter)に「There’s something in the air(空気中に何かがある)」というメッセージとともに短い動画を投稿し、新製品の登場を示唆していた。
This week. pic.twitter.com/uXqQaGNkSk
— Tim Cook (@tim_cook) March 3, 2025
M3チップ搭載でパフォーマンスが大幅向上
Appleによると、新型iPad AirはM3チップを搭載し、「より高速で強力な」モデルに進化したという。従来のM1搭載モデルと比較して最大2倍、A14 Bionic搭載モデルと比較して最大3.5倍の処理性能を発揮し、よりリアルなゲーム体験や高度なグラフィックス処理を可能にする。さらに、Appleの先進的なグラフィックスアーキテクチャがiPad Airに初めて採用され、電力効率と携帯性を両立しながら、より高精度なライティングや影の表現が可能になった。
Apple IntelligenceとChatGPTの統合
新型iPad Airには、AppleのAI技術「Apple Intelligence」が統合されており、Siriや「Writing Tools」などの機能にChatGPTが組み込まれている。これにより、ユーザーはアプリを切り替えることなく、スムーズにAIを活用できる。Appleによると、OpenAIのChatGPTは無料で利用でき、アカウントの作成も不要。さらに、IPアドレスは保護され、プライバシー面にも配慮されている。
2サイズ展開、新カラーオプションも追加
新型iPad Air(M3)は、2つのサイズで展開され、カラーはブルー、パープル、スペースグレイ、スターライトの4色が用意される。また、新たに「Apple Pencil Pro」や「Apple Pencil(USB-C)」に対応し、より多様な用途に活用できるようになった。
進化したMagic Keyboard、より低価格で登場
AppleはiPad Air向けに、新しい「Magic Keyboard」も発表した。従来モデルと比較してトラックパッドが大型化し、14キーのファンクション列を搭載。iPad Airに磁力で装着し、Bluetooth不要で即座に接続できる「Smart Connector」に対応する。トラックパッドの精度向上に加え、ファンクションキーで画面の明るさや音量を簡単に調整できるなど、利便性が大幅に向上した。
iPad(第11世代)も登場、A16チップで処理性能向上
AppleはiPad Air(M3)に加えて、エントリーモデルのiPad(第11世代)も発表。新たにA16 Bionicチップを搭載し、前モデル比で約30%の高速化を実現。Appleによると、この新型iPadは「Androidのベストセラーモデルより最大6倍高速」だという。また、ストレージの最小容量が従来の64GBから128GBに倍増し、より多くのデータを保存できるようになった。
iPad Air(M3)の登場でAppleのタブレット市場戦略が変化
Appleは、ハイエンドモデルのiPad ProにMシリーズチップを搭載してきたが、今回のiPad Air(M3)の登場により、ミドルレンジモデルにも本格的なパフォーマンス向上がもたらされた。Appleのバイスプレジデントであるボブ・ボーチャーズ氏は「iPad Airは、強力なパフォーマンスと携帯性、そして高度なアクセサリーのサポートを兼ね備えた、コストパフォーマンスに優れたモデル」と述べている。
日本市場でもiPad Air(M3)は、学生やビジネスユーザーを中心に高い注目を集めることが予想される。Appleの最新タブレット戦略は、今後の市場動向にも大きな影響を与えることになるだろう。