マイクロソフト、2025年8月Windowsセキュリティ更新でUAC問題発生を認める
アップデート後に非管理者ユーザーへ予期せぬ権限要求
マイクロソフトは、2025年8月のセキュリティ更新プログラム(KB5063878)の適用後、一部のアプリで非管理者ユーザーに対してユーザーアカウント制御(UAC)のポップアップが表示される不具合が発生していることを認めました。これにより、アプリの修復や更新を試みる際に予期せぬ権限要求が発生し、ユーザーの間で混乱が広がっています。
脆弱性修正が原因に
今回の挙動はバグではなく、Windows Installerのセキュリティ強化によるものです。マイクロソフトは脆弱性(CVE-2025-50173)を修正するため、アプリの修復プロセスに追加の制御を導入しました。しかし副作用として、これまでスムーズに動作していたアプリが突然管理者承認を必要とするケースが増えています。
影響を受けるアプリとエラーメッセージ
報告によると、AutodeskのAutoCADやCivil 3Dなどのソフトウェアがバックグラウンド修復時にUACウィンドウを表示するケースが確認されています。また、MSI修復コマンド(msiexec)を実行すると必ず権限昇格が要求され、古いアプリケーションであるOffice 2010などではエラーを起こして完全に動作不能になる例も見られます。
一部のケースでは、修復プロセスが静かに失敗するため、ユーザーは単に「アプリの構成に失敗しました」というエラーメッセージしか目にしないこともあります。
回避策と今後の対応
一時的な回避策として、対象アプリを右クリックし「管理者として実行」を選択すれば問題を解消できることがあります。
ただし、企業環境などで標準ユーザーが管理者権限を持たない場合、IT管理者はマイクロソフトが提供する専用のグループポリシー修正を利用して対処可能です。
マイクロソフトは現状が理想的でないことを認めており、今後のアップデートで「特定アプリのみUACを回避して修復操作を許可できる仕組み」を導入する予定としています。それまでは、突然の管理者権限要求が発生しても「アプリが壊れたわけではなく、Windowsが安全性を強化している」と理解することが推奨されています。
出典: CyberPress.org





