TikTokのライブ動画配信機能が性的行為を助長し、未成年者を搾取しているとの疑いを、同社が数年前から認識していながら「多額の利益を得ていたため見過ごしていた」と、ユタ州による訴訟で公開された資料から明らかになりました。このニュースは、中国企業ByteDanceがTikTokを売却しない限り、TikTokの米国内での禁止が2025年1月19日に発効するという状況の中で発表されました。
ユタ州によるTikTokへの告発
2023年6月、ユタ州はTikTokを未成年者の搾取で訴えました。訴状では、TikTokのライブ配信機能「TikTok Live」が未成年者を成人の加害者にリアルタイムで結びつける「バーチャル・ストリップクラブ」として機能していると主張しています。
最近公開された資料によると、TikTokは内部調査を通じてこれらのリスクを認識していたとされています。例えば、2022年の調査「Project Meramec」では、13歳から15歳の数十万人のユーザーがプラットフォームの年齢制限を回避して利用していることが明らかになりました。これらの未成年者の多くは、成人からバーチャルギフトを交換条件に性的行為を強要されていた疑いがあります。
さらに、2021年に開始された「Project Jupiter」という調査では、TikTok Liveが資金洗浄、麻薬売買、テロリズム(ISISによる活動を含む)に利用されていることが判明しました。また、2023年12月の内部調査では、TikTok自身が認識する「未成年者にとっての現在のリスク」を放置する「残酷さ」が記録されていたといいます。
TikTokの反応と裁判所の判断
TikTokはこれらの主張に反論し、コミュニティの安全を守るために自主的な対策を実施してきたと主張しています。TikTokの広報担当者は、訴状が「時代遅れの文書」を利用し、それを文脈から切り離して提示していると批判しました。これにより、同社の安全への取り組みが歪められているとしています。
それにもかかわらず、ユタ州の裁判官コーラル・サンチェス氏は2024年12月に、これまで非公開だった資料の多くを公開するよう命じました。ユタ州のショーン・レイエス司法長官は、未公開部分がTikTokの「衝撃的な行動」を示していると述べ、裁判で同社の責任を追及する意向を示しました。
連邦政府の措置とTikTok禁止
2023年4月、ジョー・バイデン大統領は、TikTokの禁止を承認する法律に署名しました。この措置は、TikTokがユーザー情報を中国政府と共有する可能性があるという国家安全保障上の懸念に基づいています。米国最高裁判所は、禁止措置の保留に関する口頭弁論を2025年1月10日に行う予定で、迅速に判決が下されると見られています。
TikTokの今後は?
法的闘争や規制の圧力が激化する中、TikTokは安全対策や国家安全保障に関する懸念への対応を迫られています。同プラットフォームがこれらの課題を克服できるのか、それともさらなる制限に直面するのか、注目が集まります。
TikTokはこれらの法的・規制上の課題を乗り越え、米国での未来を築けるのか?