日本のテクノロジー企業であるNTTコミュニケーションズ株式会社とソフトバンク株式会社が、コールセンター従業員が顧客からの暴言に対応するためのAI(人工知能)システムを開発していると、共同通信が報じました。
NTTのAI搭載コールセンターサポートシステム
NTTコミュニケーションズは、顧客と従業員のやり取りを監視し、適切な対応例をオペレーターの画面に表示するコールセンターサポートシステムを開発しました。メディア向けに公開されたデモンストレーションでは、プロトタイプのシステムが、電気通信契約に関する顧客のクレームに対してオペレーターに対応例を提示しました。オペレーターがアドバイスに従い顧客に返答した後、システムはその対応を「問題なし」とタグ付けしました。
同社によれば、このシステムは従業員の心理的負担を軽減できるとしています。多くのオペレーターは、強い言葉を受けた際に冷静さを保つことが難しいと感じています。また、迅速な対応を提供することで、顧客の怒りを軽減する効果も期待されているとのことです。
ソフトバンクの顧客の声を和らげるAI
ソフトバンクは、AIを活用して、オペレーターが応答する際に顧客の声のトーンを和らげるシステムを開発しています。このシステムは、緊張を緩和し、オペレーターと顧客双方にとってより良い体験を提供することを目指しています。
ソフトバンクは、この技術を2025年度までに事業化し、実用化を進める予定です。
「カスハラ」への対策と社会への影響
これらの開発は、日本で増加している「カスハラ」—顧客からの暴言や嫌がらせ—が社会問題となる中で進められています。日本はホスピタリティ文化が根付いた国として知られていますが、このような嫌がらせの被害者は、仕事を辞めたり、精神的な病に悩まされたりすることがあります。言葉による暴力から、土下座して謝罪を強要されるケースまでさまざまであり、多くの企業が小売業や飲食業界で対応ガイドラインを策定するようになっています。