最近のポッドキャストで、MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏がAppleに対する批判を展開しました。同氏は、Appleが「最近、素晴らしい発明をしていない」と指摘し、過去の成功に頼り続けていると主張しました。ザッカーバーグ氏によれば、Appleは2007年にスティーブ・ジョブズ氏がiPhoneを発表して以来、20年近くその成功に「頼りきっている」状態だと言います。iPhoneがテクノロジー業界に革命を起こしたことは間違いありませんが、それ以降Appleがそれに匹敵する革新を提供していないと批判しました。
Appleの最近の革新に対する批判
ザッカーバーグ氏は3時間近いインタビューの中で、Appleの最近の革新についてさらなる意見を述べました。同氏は、iPhoneの年々の売上が増加しているかどうか疑問を呈し、むしろ売上が減少している可能性を指摘しました。その減少を隠すため、Appleが物議を醸している開発者への30%課税をより強化しているとも主張しました。これは、ザッカーバーグ氏が以前から批判してきたApp Storeのポリシーの一環であり、開発者やアプリ制作者にとって不公平で制約的であるとしています。
AirPodsやVision Proへのコメント
さらにザッカーバーグ氏は、AppleのAirPodsに対しても批判を展開しました。同氏は、Appleの独自技術が競合他社のデバイスがiPhoneとシームレスに連携することを妨げているとし、これが革新を阻害していると述べました。また、AppleのAR/VRヘッドセット「Vision Pro」についてもコメントし、その価格が35万円を超えるにもかかわらず、「Metaの3万~4万円のデバイスよりも劣っている」と指摘しました。ただし、ザッカーバーグ氏はAppleが「優れた技術企業」であることを認め、第2世代や第3世代のヘッドセットは現行モデルよりも優れる可能性があると述べています。
Meta自身の革新性について
ザッカーバーグ氏がAppleを革新性の欠如で批判する一方で、Meta自身も革命的な技術を生み出すよりも買収によって市場シェアを拡大してきた側面があります。Metaがテクノロジー業界での支配力を強化してきたのは、WhatsApp、Instagram、Oculusといったサービスやプラットフォームの買収によるものです。また、Metaは2011年に独自のスマートフォン「HTC Chacha」を発売してスマホ市場に参入しようとしましたが、この試みは大きな失敗に終わり、その後スマホ市場への参入を断念しています。
競争が続く関係性
ザッカーバーグ氏の今回の発言は、Appleへの批判の中でも最新のものであり、両社の競争がいまだに激しいことを浮き彫りにしています。App Storeのポリシーを巡る争いからAR/VRの競争的なビジョンに至るまで、MetaとAppleの間の緊張は続いています。AIを活用したプラットフォームや手頃な価格のAR/VRデバイスを推進するMetaと、高級ハードウェア戦略を追求するAppleの戦いは、テクノロジーの覇権を巡る競争の中でますます注目されています。ザッカーバーグ氏の発言は、Appleがその優位性を失っていると考える一方で、Metaが次の革新時代をリードしようとしている姿勢を強調しています。