中国の大手テクノロジー企業Xiaomiは、新たなフラッグシップスマートフォン「Xiaomi 15 Ultra」を発表しました。昨年の「Xiaomi 14 Ultra」と比較して、動画撮影機能がさらに強化され、映画制作を志向するユーザーにとって魅力的な一台となっています。8K/30fpsや4K/120fpsの撮影、10-bit Log記録など、プロフェッショナル向けの機能を搭載。今回もLeicaとの協力を継続し、「スマートフォン付きカメラ」とも言えるデバイスに仕上がっています。
iPhoneの牙城を崩す新たなライバル
これまで、動画撮影においてAppleのiPhone 15/16 Proシリーズがプロ向けの最有力候補とされてきました。しかし、「Xiaomi 15 Ultra」は、その領域に本格的に挑戦するAndroidスマートフォンとして注目を集めています。解像度やフレームレートだけでなく、プロレベルの色再現や高度な手ブレ補正、オーディオ機能の向上など、多角的に強化されています。
Xiaomi 15 Ultraの主な特徴
「Xiaomi 15 Ultra」は、メインカメラとペリスコープ望遠カメラの両方で4K/120fpsの撮影が可能。光学式手ブレ補正(OIS)と電子式手ブレ補正(EIS)を組み合わせ、手持ち撮影時のブレを最小限に抑えます。また、Dolby Visionによる4K/60fps録画や、全焦点距離での10-bit Log撮影に対応。さらに、Android端末として初めて「ACES Product Partner」として認定され、業界水準の高精度なカラーマネジメントが可能です。
音声収録にもこだわり、4つのマイクを搭載し、指向性録音・全方位録音・オーディオズーム機能を備えています。
強化されたカメラシステム
「Xiaomi 15 Ultra」の背面には、Leicaと共同開発した4眼カメラを搭載。大型の円形カメラモジュールがデザイン上の特徴です。
- 14mm超広角カメラ(50MP, f/2.2)
- 23mmメインカメラ(50MP, f/1.63, Sony LYT-900 1インチセンサー)
- 70mm「フローティングテレフォト」(50MP, f/1.8)
- 100mm超望遠カメラ(200MP, 1/1.4インチセンサー, f/2.6)
すべての焦点距離で10-bit Log撮影が可能で、メインカメラ(23mm)と100mmペリスコープ望遠レンズでは4K/120fps撮影にも対応。4軸OIS(光学手ブレ補正)とEIS(電子手ブレ補正)を併用することで、安定した映像撮影を実現しています。
外付けアクセサリー「Photography Kit」
「Xiaomi 15 Ultra」は、前モデル「Xiaomi 14 Ultra」と同様に、「Photography Kit」に対応。USB-C接続で装着可能なカメラグリップは、スマートフォンの保護機能に加え、バッテリーとしても機能し、ワイヤレス充電に対応。ズームレバーや専用の録画ボタン、アスペクト比や露出の素早い調整が可能になります。さらに、67mmフィルターアダプターリングを装着することで、NDフィルターや可変NDフィルターを取り付けることができます。
このグリップを装着した状態では、IP54規格の防塵・防滴性能を備え、よりタフな環境でも使用可能です。
「モジュラー光学システム」という未来
Xiaomiは今回の発表で、将来のビジョンとして「モジュラー光学システム」も披露しました。これは、35mm f/1.4レンズとマイクロフォーサーズセンサーを磁気的にスマートフォンと結合し、ワイヤレスでデータを転送できるというコンセプト。写真撮影における新たな可能性を示唆するもので、今後の進化が期待されます。ただし、現時点ではこのシステムが製品化されるかどうかは明らかになっていません。
価格と販売情報
「Xiaomi 15 Ultra」の販売価格は**約1,600ドル(約24万円)**となっており、詳細は公式サイト(Xiaomi 15 Ultra)で確認できます。
まとめ
「Xiaomi 15 Ultra」は、昨年の「14 Ultra」と比べて劇的な変化はないものの、200MPセンサーを搭載した100mm望遠カメラや、4K/120fps対応の強化されたビデオ撮影機能など、映像制作を重視するユーザーにとって魅力的な進化を遂げています。スマートフォンのカメラ性能がここまで進化する中、今後の業界の動向にも注目が集まりそうです。