ニコン、フルフレームシネマカメラ「ZR」を発表 ― RED技術を融合し映像表現を進化
ニコン株式会社は、シネマ制作やハイエンド映像制作、クリエイター向けに、Z CINEMAシリーズ最小となるフルフレームセンサーカメラ「ZR」を発表しました。本機は、子会社である**RED Digital Cinema**の技術を取り入れ、最高品質の映像ソリューションを提供することを目的としています。
R3D NEとシネマティックモード
ZRは、REDのR3D RAWをベースに開発された新フォーマットR3D NEを搭載。12-bit RAWの6K/59.94pや4K/119.88p内部記録に対応し、REDの色科学(REDWideGamutRGB、Log3G10)に準拠。これによりREDカメラとのカラー整合も容易で、RED監修のImaging Recipesもニコンイメージングクラウドから入手可能です。
世界初の32-bit float音声記録とOZO Audio搭載マイク
ZRは内蔵/外部マイク双方で32-bit float録音をサポートする世界初のカメラです。さらに、内蔵マイクには**Nokia OZO Audio**技術を採用し、指向性を5種類から選択可能。取材からライブ、ASMRまで幅広い現場に対応します。
4.0インチ高精細モニター
約307万ドット・DCI-P3カバーの4.0インチモニターを搭載。16:10比率により撮影映像外に情報を表示でき、外部モニターを使用せずとも高い視認性を確保します。
EXPEED 7とAIによる高精度AF
フラッグシップ機Z9同等のEXPEED 7を採用し、AIベースの被写体検出で人物・動物・車両など9種の被写体を自動認識。遠方の小さな顔(フレームの3%サイズ)まで検出可能で、5軸手ブレ補正と組み合わせて安定した映像を実現します。
放熱設計で長時間撮影を実現
ファンレス設計ながら効率的な放熱構造を持ち、USB給電と組み合わせて最大125分の連続撮影に対応。長時間のイベント収録にも安心して使用できます。
LUTモニタリングとクラウド連携
ZRはLUTモニタリングに対応し、カラーグレーディング後のルックを撮影現場で確認可能。さらにFrame.io Camera to Cloud対応で、動画データを即時にクラウド転送し、ポストプロダクションを効率化します。
デジタルアクセサリーシューと新マイク
ニコン初のデジタルアクセサリーシューを搭載し、タリーランプ制御やアクセサリーへの電源供給を実現。専用ショットガンマイクME-D10は32-bit float対応で、PURE/FOCUSの録音モードを備えています。
REDの新モデル「V-RAPTOR XE」
REDは同時に、新しい**V-RAPTOR XE**を発表。V-RAPTOR Xと同じ大判8Kグローバルシャッターセンサーを搭載し、独立系クリエイターに手の届きやすい価格で提供されます。
主な仕様
- フルフレームセンサー、R3D NE対応
- 最大6K/59.94p、4K/119.88p記録
- 15+ストップのダイナミックレンジ
- デュアルベースISO(800/6400)
- 内蔵・外部32-bit float録音、OZO Audio対応
- 約307万ドット 4.0インチモニター
- ファンレス放熱設計、最大125分連続撮影
- Frame.ioクラウド連携、デジタルアクセサリーシュー
まとめ
ニコンZRは「小型・軽量」と「プロフェッショナル仕様」を両立した革新的なシネマカメラです。REDの技術とニコンの光学性能を融合し、幅広いクリエイターに新たな映像表現の可能性を提供します。
出典:
ニコン公式プレスリリース