NVIDIA、最大1,000億ドルをOpenAIに投資 次世代AI向け大規模データセンター建設へ
NVIDIAとOpenAIの戦略的提携
NVIDIAは、米人工知能研究所OpenAIに対し、最大1,000億ドル(約15兆円)を投資すると発表しました。両社はNVIDIAのAIプロセッサを中核とするデータセンターを数千億ドル規模で構築する計画です。
今回の提携により、OpenAIは10ギガワット規模のNVIDIAシステムを導入する予定で、これは世界でも最大級のAIチップクラスターとなります。
10ギガワット=最大500万GPU
NVIDIAのジェン・スン・フアンCEOは米CNBCのインタビューで、10ギガワットはおよそ400万〜500万基のGPUに相当すると説明しました。これは同社が今年出荷予定の全GPU数に匹敵し、昨年の約2倍の規模です。
初期投資額の100億ドル(約1.5兆円)は、最初の1ギガワット分のデータセンター完成時に実行される予定です。
株価と市場への影響
発表を受け、NVIDIA株は約4%上昇し、時価総額は一時1,700億ドル(約25兆円)増加、総額4.5兆ドル(約675兆円)に達しました。
投資家の間では「NVIDIAがOpenAIに投資し、その資金が再びNVIDIAに還元される」という好循環への期待も高まっています。
OpenAIの巨大インフラ需要
OpenAIのサム・アルトマンCEOは、「研究、製品開発、そして前例のないインフラ構築、この3つを同時に成功させなければならない」と強調しました。
同社は既に週7億人のアクティブユーザーを抱えており、次世代AIモデルの開発と運用に膨大なGPUを必要としています。
次世代システム「Vera Rubin」導入予定
NVIDIAとOpenAIは、2026年後半に次世代「Vera Rubin」システムを用いたデータセンターの第一段階を稼働させる計画です。フアンCEOは、1ギガワット規模のデータセンター建設には500〜600億ドルが必要で、そのうち約350億ドルがNVIDIAのチップとシステムに充てられると説明しました。
マイクロソフトやソフトバンクとの関係
今回の投資は、既にOpenAIと提携しているMicrosoft Azureやソフトバンクとの協業を補完するもので、Altman氏はNVIDIAとMicrosoftを「最重要パートナー」と位置付けています。
NVIDIAはOpenAIへの巨額投資に加え、Intelへの50億ドル出資、英国Nscaleへの7億ドル投資、さらにはEnfabricaの人材・技術獲得に9億ドル以上を投じるなど、AI関連分野で積極的な資金投入を続けています。
出典: CNBC