Google、新ビジネスAIプラットフォーム「Gemini Enterprise」を発表:企業向けAIエコシステムを強化
企業向けGeminiが本格始動、ChatGPT Teamに対抗する新戦略
Googleは、同社の生成AIブランド「Gemini」を軸とした新たな**ビジネスAIエコシステム「Gemini Enterprise」を静かに展開し始めました。
この新しいAIワークスペースは、最新モデル「Gemini 2.5」シリーズを搭載し、さらにエージェント作成ツール「Agent Builder」**を統合しています。現在はウェイトリスト経由で申し込み可能で、1か月の無料トライアルも提供中です。
Gemini Enterpriseは、OpenAIのChatGPT Teamプランに対抗するGoogleの回答として位置づけられています。UIは一般向けのGeminiアプリとほぼ同じですが、企業向けにコネクタ統合とワークフロー自動化機能が強化されています。
Google WorkspaceやMicrosoft 365などに対応
現時点で対応する統合先は、Google WorkspaceやMicrosoft 365、およびAtlassianのJiraなど。
これにより、Geminiのチャット内でドキュメント生成、データアクセス、タスク自動化が可能となっています。
ただし、現段階では競合サービスに比べてエコシステムの範囲はまだ限定的です。
「Agent Builder」でAIエージェントを簡単構築
注目すべきは、Gemini Enterpriseに搭載された**「Agent Builder」機能です。
これは、Geminiの「Gems」概念を拡張したもので、チャットベースとビジュアルキャンバスモード**の両方に対応します。
ユーザーはチャット上で
「毎日のメール要約を自動作成するエージェントが欲しい」
といった指示を入力するだけで、Geminiが自動的にワークフローを構築。
各ブロックにはモデル指定、システムプロンプト、外部コネクタ設定が可能で、入れ子構造のエージェントや条件分岐も定義できます。
さらに「Autoモード」では、Gemini 2.5 ProとGemini 2.5 Flashを自動切り替えし、速度と推論性能のバランスを最適化します。
価格と導入価値:月額21ドルで企業導入を促進
Gemini Enterpriseは月額21ドル(約3,200円)/席×15席という料金体系で提供され、高いコストパフォーマンスを打ち出しています。
Googleは、AIモデル・データガバナンス・コラボレーションをWorkspace上で統合することを目指しており、Gemini Enterpriseはその中心的存在になると見られています。
今後登場予定の**「Gemini 3」では、対応コネクタやモデル精度のさらなる向上が期待されており、Googleがどこまでエージェント自動化の領域を拡張できるか**注目が集まります。
出典: TestingCatalog