サムスンは、2025年1月下旬に発売予定のGalaxy S25シリーズに使用するダイナミックRAM(DRAM)の主要サプライヤーとして、Micron Technologyを正式に選定したことを発表しました。この決定は、サムスンが従来、自社のメモリ部門に依存していたのに対し、技術的な進歩と競争力のある性能を優先した戦略の転換を意味します。MicronのDRAMソリューションは、Galaxy S25シリーズにおける最新の性能を提供するため、サムスンの次世代スマートフォンに不可欠な要素となります。これは、サムスンが自社のメモリ技術よりも、より高度な技術革新とユーザー体験を優先するという意図を反映した動きです。
Galaxy S25シリーズにMicronのDRAMを採用
MicronのLPDDR5 DRAMは、Galaxy S25、S25+、およびS25 Ultraの全モデルに搭載されます。これまで、MicronはサムスンのモバイルDRAMのセカンダリサプライヤーとして関わっていましたが、今回の契約により、主要サプライヤーとしての役割を担うことになります。この変更は、Micronが市場で競争力を持つ優れたDRAM技術を開発した結果、サムスンがその提供を選んだことを示しています。サムスンのMX部門は、MicronのDRAM技術の性能、コスト効率、および互換性を慎重に評価し、その結果、主要サプライヤーとして選定しました。
Galaxy S25シリーズ発表と発売予定日
Galaxy S25シリーズは、2025年1月22日にカリフォルニア州サンノゼで開催される「Galaxy Unpacked」イベントで正式に発表される予定です。このイベントでは、サムスンの最新技術が披露されるとともに、MicronのLPDDR5 DRAMが搭載されたGalaxy S25シリーズの全貌が明らかになります。発表後、製品は2025年2月上旬に一般販売が開始される見込みです。Galaxy S25シリーズは、パフォーマンス面でも機能面でも最も革新的で強力なモデルとなることが期待されています。
Micronの技術革新がサムスンのDRAM部門を上回る
MicronのDRAM技術の急速な進歩は、サムスンのDRAM部門を上回る結果となりました。Micronは2022年に、10nmクラス1bプロセスを採用したLPDDR5Xメモリを初めて開発し、この技術は業界の先駆けとして注目を集めました。この技術は、AppleがiPhone 15シリーズに採用したことでも知られています。Micronは、業界のリーダーとしての地位を確立し、サムスンがこの技術を採用する決断を後押しする要因となりました。
サムスンのDRAM生産能力がMicronに後れを取る
サムスンのDRAM部門もLPDDR5Xメモリを2024年に発表しましたが、Micronの技術に対してタイミングや市場採用の面で遅れを取っていることが分かります。サムスンのLPDDR5Xメモリは、最大10.7Gbpsの動作速度を実現しましたが、生産能力のスケーリングがMicronほど迅速ではありませんでした。そのため、サムスンはGalaxy S25シリーズの競争力を保つためにMicronと提携し、最新のDRAM技術を搭載することを決定したのです。