米国の半導体メーカーQualcommは、4月2日に中国で新しいモバイルプロセッサを発表する予定です。プロセッサの正式名称はまだ確定していませんが、噂では「Snapdragon 8s Elite」または「Snapdragon 8s Gen 4」となる可能性があるとされています。
正式な発表を前に、QualcommはAI技術強化のための重要な買収を発表しました。同社は、ベトナムの大手企業Vingroup傘下の**VinAIの生成AI(Generative AI)部門「MovianAI」**を買収したことを明らかにしました。
VinAIの買収でAI技術を強化
VinAIは、機械学習、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)分野での研究で知られている企業です。Vingroupはベトナム最大級の民間コングロマリットであり、Qualcommは過去20年以上にわたりVinAIと協力してきました。これまで5G、AI、IoT、車載技術などの分野で提携しており、ベトナムの情報通信技術(ICT)産業の発展にも貢献しています。
買収に伴い、VinAIの創設者兼CEOであるフン・ブイ(Dr. Hung Bui)氏もQualcommに加わる予定です。ブイ氏は、Google DeepMindの元研究者であり、VinAIの成長を主導してきた重要な人物です。MovianAIのチームは、世界トップクラスの研究・エンジニアリング能力を持ち、今後はQualcommのAI戦略の一翼を担うことになります。
フン・ブイ氏は、今回の買収について以下のようにコメントしています。
「私たちは、Qualcommの使命であるAIの基礎研究のブレークスルーを実現し、それをスマートフォン、PC、ソフトウェア定義型車両(SDV)など、さまざまな産業へ拡大していくという取り組みに貢献する準備ができています。」
買収額については、QualcommおよびMovianAIのいずれからも公表されていません。
AIを軸としたQualcommの戦略と今後の展望
AI技術が急速に発展する中、Qualcommはスマートフォン、車載技術、IoT、パーソナルコンピューティングの各分野でAI活用を強化し、AI技術の普及を推進しています。ベトナムはイノベーションの中核地域の一つとされており、今回の買収はAI技術のさらなる発展に向けた重要な一歩となるでしょう。
この買収により、今後AIを活用した新たな技術革新が加速し、消費者や企業にとっての利便性がさらに向上することが期待されます。