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災害初動は“現地到着”を待たない:SAR衛星と点群データで変わるインフラ被災把握

ALOS-2「だいち2号」衛星イメージ(Image Source: JAXA)
ALOS-2「だいち2号」衛星イメージ(Image Source: JAXA)

大規模災害が発生した直後、最も重要なのは「どこで、何が、どの程度壊れているのか」を早く把握することです。

地震で道路が寸断されたのか。豪雨で河川が氾濫しているのか。土砂崩れで集落や道路が孤立しているのか。橋梁、堤防、港湾、ダム、送電線、鉄道、造成地にどの程度の被害が出ているのか。こうした情報が分からなければ、救助、道路啓開、資機材搬入、避難誘導、復旧工事の優先順位を決められません。

しかし、災害直後は現地確認そのものが困難です。道路が通れない、夜間で見えない、雲や雨で航空機・ドローンの撮影が難しい、二次災害の危険がある、通信が不安定になる――こうした制約の中で、人が現地に到着してから被害を確認する方法だけでは、初動が遅れる可能性があります。

そこで注目されているのが、SAR衛星を活用した災害対応です。SARはSynthetic Aperture Radarの略で、日本語では合成開口レーダーと呼ばれます。光学カメラのように太陽光や可視光に頼るのではなく、衛星から電波を照射し、地表から返ってくる反射を解析する仕組みです。

JAXAのALOS-2「だいち2号」は、Lバンド合成開口レーダーPALSAR-2を搭載した地球観測衛星です。JAXAは、PALSAR-2について「昼夜を問わず観測できる」「雲や雨の影響を受けにくい」SARの特性を説明しており、災害監視や地表変化の把握に活用できる技術基盤になっています。

災害対応は、現地に到着してから始める時代から、宇宙から広域状況を把握し、現地調査の優先順位を決める時代へ移りつつあります。

SAR衛星とは何か

SAR衛星は、地表へマイクロ波を照射し、その反射を受信して画像化する衛星です。一般的な光学衛星は、カメラで地表を撮影するため、雲、雨、煙、夜間の影響を受けやすくなります。一方、SAR衛星は電波を使うため、雲の下や夜間でも地表を観測しやすい点が大きな強みです。

特に日本のように、台風、線状降水帯、地震、火山、土砂災害が多い国では、災害時に「晴れているとは限らない」ことが大きな課題です。豪雨災害の直後は雲が残りやすく、山間部では天候が不安定です。地震直後も、火災の煙や悪天候で航空写真が撮りにくい場合があります。

ALOS-2のPALSAR-2はLバンドSARであり、JAXAのALOS EORCは、SARが太陽光などの光源を必要とせず、昼夜を問わず画像取得できること、またLバンドのマイクロ波が雲や雨の影響を受けにくいことを説明しています。

災害対応では、次のような用途が考えられます。

  • 河川氾濫による浸水範囲の把握
  • 土砂崩れや斜面崩壊の可能性があるエリアの抽出
  • 地震による地殻変動や地表変化の把握
  • 道路・橋梁・鉄道周辺の被災候補エリアの確認
  • 港湾・沿岸部の地形変化の確認
  • ダム、堤防、法面、造成地周辺の異常把握
  • 山間部や孤立集落周辺の広域確認

SAR衛星は、単なる「宇宙からの写真」ではありません。地表の変化を読み取り、災害初動の判断材料に変えるリモートセンシング基盤です。

なぜ災害初動にSAR衛星が向いているのか

災害初動では、情報の精度だけでなく、情報が届く速さが重要です。完璧な調査結果を数日後に得るよりも、発災から数時間以内に「どのエリアが危ないか」「どの道路が通れない可能性があるか」「どこから現地調査に入るべきか」を把握するほうが、救助や復旧の判断に直結します。

SAR衛星が災害初動に向いている理由は、大きく4つあります。

夜間でも観測できる

地震や豪雨は、昼間に発生するとは限りません。深夜に大きな地震が発生した場合、夜明けまで航空写真やドローン調査を待つ必要が出ることがあります。

SAR衛星は電波を使うため、太陽光に依存しません。夜間でも観測できるため、発災時刻に左右されにくいのが特徴です。

雲や雨の影響を受けにくい

豪雨災害や台風災害では、発災直後に雲が広がっていることが多く、光学衛星や航空写真では地表が見えにくい場合があります。

SAR衛星は雲や雨の影響を受けにくいため、悪天候時でも地表変化を把握しやすくなります。河川氾濫や浸水範囲の推定では、この特性が重要です。

広域を一度に把握できる

災害直後に、人がすべての道路、橋梁、河川、斜面を確認することは不可能です。特に、広域地震や豪雨災害では、被災範囲が複数自治体にまたがります。

SAR衛星は、上空から広い範囲を観測できるため、まず「どこに被害が集中しているか」を把握するのに適しています。これにより、現地調査の順番や道路啓開の候補を決めやすくなります。

地表変化や地殻変動を解析できる

SAR衛星は、単に画像を見るだけでなく、過去データとの比較や干渉SAR解析によって、地表の変化や地殻変動を把握できます。国土地理院の地殻変動研究ページでも、ALOS-2データを用いた地震・火山活動に伴う地殻変動の検出事例が多数掲載されています。

このように、SAR衛星は「現地に行けない時の代替手段」ではなく、「現地へ行く前に、どこへ行くべきかを決めるための情報源」として重要です。

Japan Disaster Charterが示す「衛星データの実装フェーズ」

衛星データの活用は、研究や実証の段階から、災害対応の実務に組み込む段階へ進んでいます。

2025年5月、NIED、富士通、Satellite Data Service、三菱電機は、衛星データを活用した災害対応フレームワークであるJapan Disaster Charterの本格運用に向けた共同研究を発表しました。この枠組みは、内閣府と民間企業が推進する衛星データ活用型の災害対応フレームワークで、災害対応機関、指定公共機関、自治体、民間企業などの要請に応じて、被災地を迅速に観測し、利用者に合わせた解析データを提供することを目指しています。

特に重要なのは、単に衛星画像を取得するだけでなく、災害種別、発生時刻、規模、天候、ユーザー要件に応じて、複数の衛星から最適な組み合わせを選び、観測から解析、提供までをワンストップ化しようとしている点です。三菱電機の発表では、Satellite One-Stop Systemによって、災害発生後数時間以内に広域被害評価を提供し、初動対応を加速する構想が示されています。

これは、災害対応における衛星データ活用が「専門家だけが使う解析データ」から、「自治体、インフラ事業者、建設会社、防災機関が初動判断に使う情報基盤」へ変わることを意味します。

インフラ監視は「地上確認」から「宇宙からの初動把握」へ

これまでのインフラ被災確認は、現地調査が中心でした。道路管理者、建設会社、自治体職員、測量会社が現地へ向かい、道路、橋梁、法面、河川、堤防、港湾、造成地などを確認します。

しかし、災害直後は現地へ行けないことがあります。道路が崩れている、橋が通れない、斜面崩壊の危険がある、余震や二次災害のリスクがある、夜間で作業できない――このような状況では、現地確認を待つだけでは初動が遅れます。

SAR衛星を使えば、まず広域の被災候補エリアを把握できます。たとえば、地震後に地表変化が大きいエリア、豪雨後に浸水が疑われる低地、土砂移動が疑われる斜面、道路寸断の可能性がある山間部を衛星データから抽出します。

そのうえで、ドローン、UAV LiDAR、SLAM、地上レーザー、車載計測、現地踏査を組み合わせ、詳細調査へ進む流れが現実的です。

災害対応の流れは、次のように変わります。

  1. SAR衛星で広域被害を把握する
  2. 被害候補エリアを地図化する
  3. 道路啓開や現地調査の優先順位を決める
  4. ドローン・UAV LiDARで詳細な地形変化を取得する
  5. SLAMや地上レーザーで構造物周辺・屋内・狭小部を計測する
  6. 点群データとBIM/CIM、GISを統合して復旧計画に使う
  7. 関係機関向けの共有資料を作成する

この「広域→詳細」の流れが、SAR衛星と点群データを組み合わせた災害対応の基本になります。

SAR衛星とドローン・UAV LiDAR・SLAMの役割分担

SAR衛星、ドローン、UAV LiDAR、SLAMは、それぞれ得意な範囲が異なります。災害対応では、どれか一つを選ぶのではなく、役割を分けて組み合わせることが重要です。

技術得意なこと災害対応での主な用途
SAR衛星広域、夜間、雲がある状況での観測被災範囲の初動把握、浸水・地表変化の抽出
光学衛星視覚的に分かりやすい広域画像被災状況の概観、説明資料、報道・共有資料
ドローン写真測量現地の高解像度画像取得崩落箇所、橋梁、法面、河川周辺の詳細確認
UAV LiDAR樹木下や地形の3D計測土砂量算出、法面崩壊、河道閉塞、地形変化把握
SLAM屋内、狭小部、GNSSが入りにくい場所の3D計測トンネル、橋梁下部、建物内部、地下空間の調査
地上レーザー高精度な局所計測構造物変位、擁壁、橋脚、法面の精密確認
BIM/CIM・GISデータ統合と共有復旧計画、関係機関共有、施工計画、台帳更新

SAR衛星は、最初に「どこを見るべきか」を決めるための技術です。一方、ドローンやUAV LiDAR、SLAMは、被災候補エリアを詳細に調べるための技術です。

たとえば、豪雨災害では、SAR衛星で広域の浸水範囲や河川周辺の変化を把握します。その後、優先度の高い橋梁、堤防、道路、排水施設にドローンを飛ばし、UAV LiDARで土砂量や地形変化を計測します。さらに、橋梁下部やトンネル、建物内部など、GNSSが入りにくい場所ではSLAMを使って点群データを取得します。

このように、SAR衛星は「初動判断」、点群計測は「詳細把握」、BIM/CIM・GISは「復旧計画と共有」に役割を分けると、災害対応のワークフローが整理しやすくなります。

KPIで見る災害対応DX

SAR衛星と点群データを活用する目的は、単に新しい技術を使うことではありません。災害初動のスピードと精度を上げることです。そのためには、KPIとして効果を測れる形にしておく必要があります。

KPI項目内容期待される改善
被災範囲の把握時間発災から広域被害マップ作成までの時間初動判断の迅速化
道路啓開候補の抽出時間通行不能・寸断疑い箇所を抽出するまでの時間救助・物資輸送ルートの早期確保
現地調査の優先順位付け時間調査対象地点の優先順位を決めるまでの時間調査人員・ドローン部隊の効率配置
関係機関共有資料の作成時間自治体、道路管理者、警察、消防、建設会社向け資料の作成時間意思決定と情報共有の高速化
現地調査件数あたりの移動時間調査地点間の移動にかかる時間無駄な現地移動の削減
二次災害リスク箇所の抽出数余震、再崩落、河道閉塞などの危険箇所数調査員・作業員の安全確保
点群データ化までの時間UAV LiDARやSLAM計測から3Dデータ化までの時間復旧設計・施工計画の迅速化
復旧計画への反映時間被災データを設計・施工計画へ反映する時間復旧工事の早期着手

従来の災害対応では、「現地確認を何班で行ったか」「何カ所を巡回したか」が中心になりがちでした。これからは、「被災範囲を何時間で把握できたか」「道路啓開候補を何時間で抽出できたか」「関係機関に共有できる資料を何時間で作れたか」が重要になります。

災害対応DXの本質は、調査の回数を増やすことではなく、意思決定に必要な情報を早く、正確に、共有しやすい形で出すことです。

APEX視点:SAR衛星と点群データをつなぐ災害調査ワークフロー

APEXのように、ドローン、UAV LiDAR、SLAM、点群データ、BIM/CIMに強みを持つ企業にとって、SAR衛星は競合する技術ではなく、むしろ上流の情報源になります。

SAR衛星で広域の被災候補エリアを把握し、その結果をもとにドローンやUAV LiDARの調査計画を立てることで、現地調査の効率が大きく上がります。

発災直後:SAR衛星で広域状況を確認

地震、豪雨、台風、土砂災害が発生した直後に、SAR衛星データや関連する災害解析情報を確認します。浸水域、地表変化、斜面崩壊候補、道路寸断候補を広域で把握します。

この段階では、細かな構造物損傷を確認することよりも、「どのエリアを優先的に見るべきか」を決めることが目的です。

初動判断:調査優先エリアを抽出

衛星解析結果をGIS上に重ね、重要インフラと照合します。対象は、緊急輸送道路、主要橋梁、河川堤防、ダム、港湾、鉄道、送電線、通信施設、避難所へのアクセス道路などです。

この段階で、現地調査の優先順位を決めます。たとえば、緊急輸送道路に接続する橋梁、孤立集落へ向かう道路、二次災害リスクのある斜面、重要施設へつながるアクセス道路を上位に置きます。

詳細調査:ドローン・UAV LiDARで3D計測

優先度の高い地点にドローンやUAV LiDARを投入します。写真だけでなく、点群データを取得することで、崩落土量、法面形状、河道閉塞、道路の沈下・変形、橋梁周辺の洗掘などを立体的に把握できます。

UAV LiDARは、植生がある斜面や山間部の地形把握にも有効です。土砂災害では、樹木や草に覆われた場所で地形変化を把握する必要があるため、写真測量だけでなくLiDAR計測を組み合わせる意味があります。

狭小部・屋内:SLAMで補完計測

トンネル内部、橋梁下部、建物内部、地下施設、GNSSが入りにくい場所では、ハンドヘルドSLAMや地上型レーザーを使います。衛星やドローンでは見えない部分を、現地で短時間に3D化できます。

特に、トンネル坑口、橋梁の支承部、地下通路、工場内設備、災害拠点施設などは、上空からの観測だけでは状態を確認できません。SLAMは、こうした「最後の詳細確認」に向いています。

復旧計画:点群・BIM/CIM・GISで共有

取得した点群データをBIM/CIMやGISに統合し、復旧計画、仮設道路計画、土量計算、施工手順、関係機関向け資料に活用します。

この流れにより、災害対応は「現地へ行ってから考える」ではなく、「宇宙から広域を見て、優先順位を決めてから現地へ行く」形に変わります。

ユースケース別に見るSAR衛星×点群データの活用

地震災害

地震では、道路寸断、橋梁損傷、斜面崩壊、液状化、地盤沈下、地殻変動が発生します。SAR衛星で広域の地表変化を把握し、被害が集中しているエリアを抽出します。その後、ドローンやUAV LiDARで道路、橋梁、法面、造成地を詳細に調査します。

特に山間部では、道路が一カ所でも寸断されると集落が孤立します。SAR衛星で道路周辺の大きな地形変化を把握し、ドローンで実際の通行可否を確認する流れが有効です。

豪雨・河川氾濫

豪雨災害では、浸水範囲、堤防損傷、河道閉塞、橋梁周辺の洗掘、土砂流入が問題になります。SAR衛星は雲が残る状況でも観測しやすいため、浸水域の初動把握に向いています。

その後、UAV LiDARで河川周辺や堤防、法面、土砂堆積量を計測すれば、復旧工事や土砂撤去計画に使えます。

土砂災害

土砂災害では、斜面崩壊の発生位置、崩落土砂の量、河道閉塞の有無、二次崩壊リスクを把握する必要があります。

SAR衛星で広域の変化を抽出し、崩壊候補地を絞り込みます。その後、ドローン写真測量やUAV LiDARで崩壊面、土砂堆積範囲、流出経路を3D計測します。点群データを使えば、土量算出や仮設対策工の計画にもつなげられます。

道路・橋梁・鉄道インフラ

道路、橋梁、鉄道は、災害初動で最優先に確認すべきインフラです。緊急車両や復旧資機材が通れるかどうかが、救助と復旧のスピードを左右します。

SAR衛星で広域の被災候補を把握し、主要道路や鉄道路線と重ね合わせます。そのうえで、優先度の高い橋梁、トンネル、法面、盛土区間をドローンやSLAMで詳細調査します。

港湾・沿岸部

津波、高潮、台風では、港湾施設、護岸、臨港道路、防波堤、倉庫、コンテナヤードが被害を受けることがあります。SAR衛星で広域の沿岸変化を把握し、ドローンや地上レーザーで港湾施設の詳細を計測すれば、物流再開の判断に役立ちます。

港湾は、災害復旧資材や支援物資の搬入拠点にもなるため、被災後の機能確認が重要です。衛星で広域を見て、ドローン・点群で詳細を確認する流れは、物流再開の判断にもつながります。

導入時に注意すべきポイント

SAR衛星と点群データを災害対応に組み込む際は、技術導入だけでなく、運用設計が重要です。

平時から基準データを整備しておく

災害後の変化を把握するには、災害前の状態を知っている必要があります。平時の点群データ、BIM/CIMモデル、道路台帳、橋梁台帳、河川台帳、過去の衛星画像を整備しておくことで、発災後の差分解析がしやすくなります。

特に、重要インフラについては、平時から3Dデータを整備しておくことが災害対応のスピードを左右します。

誰が衛星データを読むのかを決める

SAR画像は、光学写真のように見ればすぐ分かるものではありません。解析には専門知識が必要です。そのため、自治体や建設会社が単独でSARデータを扱うのではなく、衛星データ解析事業者、測量会社、建設コンサルタント、防災機関と連携する体制が必要です。

Japan Disaster Charterのような枠組みは、この課題に対して、衛星観測から解析データ提供までをワンストップ化しようとする動きといえます。

衛星データと現地データを同じ地図上で扱う

衛星解析結果、ドローン画像、UAV LiDAR点群、SLAM点群、現地写真、道路台帳、BIM/CIMモデルが別々に管理されていると、意思決定に時間がかかります。

災害対応では、GISや3Dビューア上で情報を重ね合わせ、関係機関が同じ地図を見ながら判断できる状態を作ることが重要です。

共有資料のテンプレートを事前に作る

災害時に資料フォーマットを一から作ると時間がかかります。平時から、被災範囲図、道路啓開候補図、調査優先順位リスト、点群比較図、関係機関向け報告書のテンプレートを準備しておくべきです。

特に、自治体、道路管理者、警察、消防、建設会社、測量会社が同じ資料を見て動けるようにするには、凡例、座標系、優先度、写真番号、点群リンク、現地確認ステータスを統一しておく必要があります。

衛星で分かること・分からないことを理解する

SAR衛星は強力ですが、万能ではありません。詳細な構造物損傷、橋梁下面の破損、トンネル内部、建物内部、細かな亀裂などは、衛星だけでは確認できません。

そのため、SAR衛星は「広域の初動把握」、ドローン・UAV LiDAR・SLAMは「詳細確認」と役割を分ける必要があります。

現場で使える災害対応チェックリスト

SAR衛星と点群データを組み合わせた災害対応を準備する場合、次の項目を整理しておくと実務に落とし込みやすくなります。

  • 重要インフラの位置情報をGISで整理しているか
  • 緊急輸送道路、橋梁、河川、堤防、港湾、法面、造成地を台帳化しているか
  • 平時の点群データやBIM/CIMモデルを保有しているか
  • 災害前後で比較できる基準データがあるか
  • SAR衛星データを入手・解析できる連携先があるか
  • 衛星解析結果を誰が判断材料として使うか決めているか
  • ドローン・UAV LiDAR・SLAMを投入する優先順位を決めているか
  • 道路啓開候補の抽出ルールを持っているか
  • 関係機関向けの共有資料テンプレートがあるか
  • 現地調査班、解析班、資料作成班の役割を決めているか
  • 被災範囲の把握時間をKPIとして設定しているか
  • 道路啓開候補の抽出時間をKPIとして設定しているか
  • 調査結果を復旧設計や施工計画に反映する流れがあるか

このチェックリストの目的は、衛星やドローンを単発で使うことではありません。発災後に「どの情報を、誰が、何時間以内に、どの形式で共有するか」を決めることです。

まとめ

SAR衛星は、夜間や雲のある状況でも地表を観測できるため、地震、豪雨、土砂災害、河川氾濫、道路寸断などの初動把握に適しています。ALOS-2「だいち2号」のようなSAR衛星は、災害監視、地表変化の把握、地殻変動解析などに活用されており、今後の防災DXにおいて重要な情報源になります。

一方で、SAR衛星だけで災害対応が完結するわけではありません。衛星は広域の被災候補を把握するために使い、ドローン、UAV LiDAR、SLAM、地上レーザーで詳細調査を行い、点群データやBIM/CIM、GISに統合して復旧計画へつなげることが重要です。

災害対応のKPIも変わります。これからは「何班が現地確認に行ったか」だけでなく、「被災範囲を何時間で把握できたか」「道路啓開候補を何時間で抽出できたか」「現地調査の優先順位をどれだけ早く決められたか」「関係機関向け資料を何時間で作成できたか」が問われます。

インフラ監視は、地上確認だけに頼る時代から、宇宙から広域を把握し、現地の3D計測で詳細を確認する時代へ進んでいます。

APEXが持つドローン、UAV LiDAR、SLAM、点群データ、BIM/CIMの技術は、SAR衛星による広域把握と組み合わせることで、災害初動から復旧設計までをつなぐ重要な役割を担えます。災害対応DXの次の鍵は、「宇宙からの初動把握」と「現地の高精度3Dデータ」をどう連携させるかにあります。

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