建設資材の管理は、これまで「カタログを確認する」「納品書を見る」「性能証明書を保管する」「必要なときにEPDや試験成績書を探す」という運用が中心でした。
鉄骨、コンクリート、断熱材、内装材、外装材、配管、電気設備、建具、仕上げ材など、建設現場で使われる資材には、それぞれ仕様書、性能証明、施工要領、環境データ、納入記録、メーカー情報があります。しかし実務では、これらの情報がPDF、Excel、紙書類、メーカーサイト、BIMオブジェクト、施工管理システム、メール添付に分散しやすく、必要な情報を探すだけで時間がかかります。
脱炭素やサーキュラーエコノミーが重視される今後の建設では、資材を「納品された物」として見るだけでは不十分になります。どこで作られ、何でできており、どれだけCO₂を排出し、どの性能を持ち、将来どのように再利用・リサイクルできるのかまで、ライフサイクル全体で管理する必要があります。
そこで注目されているのが、デジタルプロダクトパスポート(Digital Product Passport、DPP)です。
欧州委員会は、DPPを製品の持続可能性、耐久性、環境側面に関するデータを保存・共有するための仕組みとして位置づけています。2025年4月には、DPPシステムのデータ保存・管理方法やサービス提供者の認証に関する意見募集も開始されています。詳しくは欧州委員会のDPPに関する公表内容で確認できます。
建設資材の管理は、「カタログや納品書を確認する」段階から、「資材データを建物・インフラのライフサイクル全体で追跡する」段階へ移りつつあります。
デジタルプロダクトパスポートとは何か
デジタルプロダクトパスポートとは、製品に関する重要情報を、機械判読できるデジタル形式で記録・共有する仕組みです。建設資材の場合、製品仕様、性能、環境データ、適合宣言、施工・安全情報、再利用・リサイクル情報などを、QRコード、データキャリア、製品ID、BIM/CIM属性などと紐づけて管理するイメージです。
ベルギー連邦経済省は、建設製品向けDPPについて、建設製品の性能、持続可能性、適合性に関する情報を提供するための重要なツールであり、透明性の向上、行政負担の削減、製品トレーサビリティの改善を目的とすると説明しています。建設製品向けDPPは、技術仕様、環境性能、適合宣言などの重要データを、製造者、建設関係者、規制当局が参照しやすくする仕組みです。
建設資材のDPPで扱う情報は、以下のように整理できます。
| 情報カテゴリ | 具体例 | 活用場面 |
|---|---|---|
| 製品基本情報 | 製品名、メーカー、型番、ロット、製造場所、製造日 | 資材調達、納品確認、トレーサビリティ |
| 性能情報 | 強度、断熱性能、耐火性能、防水性能、耐久性、規格適合 | 設計確認、施工管理、検査、維持管理 |
| 適合・証明情報 | 適合宣言、性能宣言、試験成績書、認証情報 | 発注者確認、監査、品質保証 |
| 環境情報 | EPD、カーボンフットプリント、GWP、再生材含有率 | 脱炭素レポート、LCA、環境認証 |
| 施工情報 | 施工要領、安全情報、保管条件、使用上の注意 | 現場施工、品質管理、安全管理 |
| 維持管理情報 | 点検方法、補修方法、交換周期、保証情報 | 施設管理、長寿命化、保全計画 |
| 解体・再利用情報 | 分解方法、再利用可否、リサイクル方法、有害物質情報 | 解体計画、資源循環、廃棄物削減 |
| データ連携情報 | 製品ID、QRコード、BIM属性、API、データ形式 | BIM/CIM、資材台帳、デジタルツイン連携 |
DPPの価値は、単にPDFをオンラインで見られるようにすることではありません。資材の情報を、設計、調達、施工、維持管理、解体、再利用までつなげることにあります。
なぜ建設資材にDPPが必要なのか
建設分野では、資材データが分散しやすいという課題があります。
設計段階ではカタログやBIMオブジェクトを参照し、調達段階では見積書や納品書を確認し、施工段階では仕様書や施工要領を使い、検査段階では試験成績書や性能証明を確認し、竣工後は維持管理台帳に必要な情報だけを転記する。さらに脱炭素レポートを作る際には、EPDやカーボンフットプリントの情報を別途集める必要があります。
この状態では、以下のような問題が起こりやすくなります。
- どの資材がどの場所に使われたか分からない
- EPDや性能証明書を後から探すのに時間がかかる
- BIM/CIMモデルに資材の環境情報が入っていない
- 施工時の納入情報と維持管理情報がつながっていない
- 解体時に再利用できる部材を判断しにくい
- 脱炭素レポートのために手作業でデータを集計している
- メーカーの仕様変更や廃番情報を追跡しにくい
- 有害物質やリサイクル性の情報が書類に埋もれている
欧州の建設製品規則では、建設製品向けDPPにより、性能、持続可能性、適合性に関する情報を標準化されたデジタル形式で扱う方向が示されています。ベルギー連邦経済省の解説では、DPPは建設材料の管理、再利用、リサイクルを改善し、環境負荷の削減とサーキュラーエコノミーへの移行を支援すると説明されています。
つまり、建設資材のDPPは、単なる欧州規制対応ではなく、建設プロジェクトのデータ管理を根本から変える可能性があります。
欧州で進むDPPと建設製品規則
DPPは、欧州の環境政策や製品規制の中で重要な位置づけになっています。
EUでは、2024年にエコデザイン規則(ESPR)が成立し、DPPは製品の持続可能性や環境情報を共有するための主要な仕組みとして扱われています。欧州委員会は、DPPが消費者、企業、公的機関に利用可能となり、持続可能な製品選択を支援すると説明しています。
建設分野では、2024年11月に採択されたRegulation (EU) 2024/3110が重要です。この規則は、建設製品の販売に関する調和ルールを定め、従来のRegulation (EU) No 305/2011を置き換えるものです。
建設製品向けDPPについては、欧州委員会が条件を策定し、委任規則が整備された後、製造者は所定期間内にDPPを利用可能にする必要があります。ベルギー連邦経済省は、DPPの条件が確立された後、欧州委員会がRegulation (EU) 2024/3110を補足する委任規則を作成し、その発効から18か月以内に、製造者が建設向けデジタルパスポートシステムを通じてDPPを利用可能にする必要があると説明しています。
建設業界にとって重要なのは、DPPが「将来の欧州向け輸出規制」だけにとどまらない点です。建設資材のデータを標準化し、BIM/CIMや維持管理台帳、環境レポートに接続する動きは、日本の建設DXや脱炭素対応にも参考になります。
カタログ確認からライフサイクルデータ管理へ
従来の建設資材管理は、プロジェクト単位・工事単位の管理が中心でした。必要な資材を選び、発注し、納品し、施工し、検査書類を保管する。竣工後は、必要最低限の情報を維持管理台帳に引き継ぐ。この流れでは、資材のライフサイクル全体を追跡することは簡単ではありません。
DPPが普及すると、資材管理の考え方は以下のように変わります。
| 従来の材料管理 | DPPによる材料管理 |
|---|---|
| カタログやPDFで仕様確認 | 製品IDから機械判読できるデータを参照 |
| 納品書・試験成績書を個別保管 | DPPに性能・適合・環境情報を紐づけ |
| BIM/CIM属性は手入力が多い | DPPデータをBIM/CIM属性へ連携 |
| 竣工後に情報が欠落しやすい | 維持管理・交換・解体まで情報を継続 |
| EPDや環境データを後から収集 | 調達時点で環境データを取得 |
| 解体時に材料情報が分からない | 再利用・リサイクル情報を参照可能 |
| 書類確認に時間がかかる | QRコードやAPIで必要情報を検索 |
この変化により、建設資材は「一度納品されて終わり」ではなく、建物やインフラのライフサイクルに残るデータ資産になります。
BIM/CIMとの連携が重要になる理由
建設分野でDPPを実務に活かすには、BIM/CIMとの連携が欠かせません。
BIM/CIMモデルには、柱、梁、床、壁、設備、配管、建具、舗装、橋梁部材、護岸、トンネル覆工などの3D形状と属性情報を登録できます。しかし、現場で使われる実際の資材データ、EPD、製造ロット、施工日、納品情報まで一貫して入っているケースはまだ多くありません。
欧州のBUILD UPに掲載されたDPP実現可能性調査の紹介では、建設製品DPPが建物ライフサイクルの各段階で使われる製品情報を統合し、設計から解体までのトレーサビリティ、持続可能性、BIMツールとの相互運用性を促進する可能性があると説明されています。
DPPとBIM/CIMを連携させると、以下のような活用が可能になります。
| BIM/CIM連携項目 | 活用イメージ |
|---|---|
| 製品ID連携 | BIM/CIM部材にDPPの製品IDを紐づける |
| 環境データ連携 | 部材ごとのGWP、EPD、再生材含有率をモデルに反映 |
| 維持管理連携 | 交換周期、保証情報、補修方法を施設管理に引き継ぐ |
| 解体連携 | 再利用可能部材、リサイクル方法、有害物質情報を確認 |
| 調達連携 | 設計指定資材と実際の納入資材の差分を確認 |
| 監査連携 | 発注者や自治体への環境・性能証明を効率化 |
BIM/CIMが「形状と施工情報の管理基盤」であるなら、DPPは「資材の出自・性能・環境情報の管理基盤」です。両者をつなぐことで、建物やインフラを構成する材料の情報が、ライフサイクル全体で使えるようになります。
DPPが変える資材調達
DPPは、資材調達にも大きな影響を与えます。
従来の資材選定では、価格、納期、性能、メーカー実績が主な判断材料でした。今後は、それに加えて、EPDの有無、カーボンフットプリント、再生材含有率、リサイクル性、製造地、サプライチェーン情報が重要になります。
特に公共工事や大規模民間プロジェクトでは、脱炭素レポートやScope 3排出量の把握が求められる場面が増えます。DPPによって環境データが標準化されれば、資材ごとの比較がしやすくなります。
| 調達で比較する項目 | DPPで確認したい情報 |
|---|---|
| 価格 | 製品仕様、標準単価、調達条件 |
| 性能 | 強度、断熱性、耐火性、耐久性、規格適合 |
| 環境性能 | EPD、GWP、CO₂排出量、再生材含有率 |
| 供給安定性 | 製造拠点、ロット、サプライチェーン情報 |
| 施工性 | 施工要領、保管条件、取扱い注意事項 |
| 維持管理性 | 交換周期、補修方法、保証情報 |
| 解体・再利用 | 分解可能性、再利用可否、リサイクル方法 |
DPPが整備されると、調達担当者は単に「安い資材」を選ぶのではなく、「性能、コスト、環境、維持管理、再利用まで含めた総合的に良い資材」を選びやすくなります。
維持管理・解体・リサイクルへの接続
建設資材の情報は、施工時だけでなく、維持管理や解体時にも重要です。
建物やインフラは、完成後に長期間使われます。数十年後に補修、交換、改修、解体を行うとき、「どの資材がどこに使われているか」「どの性能を持つか」「有害物質を含むか」「再利用できるか」が分からなければ、判断に時間がかかります。
DPPがBIM/CIMや維持管理台帳と連携していれば、将来の管理者は以下のような情報を確認できます。
- 使用されている材料の製品名・メーカー・ロット
- 施工された場所と数量
- 耐用年数や交換目安
- 補修方法やメーカー推奨の維持管理方法
- 再利用可能な部材かどうか
- リサイクル方法や分別方法
- 有害物質や注意すべき成分
- EPDやカーボンフットプリント
これにより、建設資材は「使い捨て」ではなく、「将来の資源」として管理しやすくなります。DPPは、解体時に再利用可能部材を探すための材料台帳としても機能します。
脱炭素レポートとDPP
建設分野の脱炭素では、運用時のエネルギーだけでなく、建設時に使う資材の製造・輸送・施工・廃棄に伴う排出量も重要になります。特に、コンクリート、鉄鋼、アルミ、ガラス、断熱材、設備機器は、建物・インフラのカーボンフットプリントに大きく影響します。
DPPによって資材ごとの環境データが標準化されれば、脱炭素レポートの作成が効率化されます。
| 脱炭素レポート項目 | DPPで参照したい情報 |
|---|---|
| 資材別CO₂排出量 | EPD、GWP、製造時排出量 |
| 再生材利用率 | 再生材含有率、リサイクル材情報 |
| 輸送影響 | 製造地、輸送距離、調達地域 |
| 解体時排出 | リサイクル方法、廃棄区分 |
| Scope 3算定 | 購入資材ごとの環境データ |
| プロジェクト比較 | 資材選定によるCO₂差分 |
従来は、環境データを後から集めるために、メーカーへ個別確認したり、PDFから手入力したりする必要がありました。DPPが整備されれば、調達時点から環境データを取得し、BIM/CIMや積算、LCAツールへ連携しやすくなります。
KPIで見るDPP導入効果
DPPの導入効果は、「データを登録したかどうか」ではなく、資材管理、環境対応、維持管理の業務がどれだけ改善されたかで見るべきです。
| KPI項目 | 内容 | 改善に使えるポイント |
|---|---|---|
| 資材情報の検索時間 | 必要な仕様・証明・環境データを探す時間 | 書類確認・問い合わせ時間の削減 |
| 環境データ取得率 | EPDやGWPを取得できた資材の割合 | 脱炭素レポートの精度向上 |
| BIM/CIM属性連携率 | BIM/CIM部材にDPP情報を紐づけた割合 | 設計・施工・維持管理のデータ連携 |
| 書類確認時間 | 性能証明、適合宣言、施工要領の確認時間 | 検査・監査業務の効率化 |
| 再利用可能部材の把握率 | 解体・改修時に再利用候補を特定できた割合 | サーキュラーエコノミー対応 |
| 資材トレーサビリティ率 | 製造ロットや納入先を追跡できる資材の割合 | 品質不具合・リコール対応 |
| EPD付き資材採用率 | EPDを持つ資材を採用した割合 | 環境性能を重視した調達 |
| 外部問い合わせ件数 | メーカーや商社への仕様確認問い合わせ数 | 情報参照のセルフサービス化 |
| 維持管理情報引継ぎ率 | 竣工後に維持管理へ引き継げた資材情報の割合 | 長期保全の効率化 |
| 解体時データ利用率 | 解体・リサイクル計画でDPP情報を使った割合 | 廃棄物削減・再資源化 |
DPPの価値は、登録されたデータ量ではなく、現場・設計・調達・維持管理・解体で実際に使われることにあります。
APEX視点:点群・BIM/CIM・資材DPPをつなぐ
APEXのように、ドローン、SLAM、点群、BIM/CIM、3Dデータ活用に強みを持つ企業にとって、DPPは「資材情報」を3D空間に接続する重要な仕組みになります。
点群やBIM/CIMは、建物やインフラの形状、出来形、配置、寸法を管理するのに強い技術です。一方、DPPは、そこに使われている資材の仕様、性能、環境データ、再利用情報を管理する技術です。
APEX向けには、以下のようなサービス展開が考えられます。
| APEXの技術領域 | DPPとの接続イメージ |
|---|---|
| ドローン測量 | 施工状況や資材配置を空間的に把握し、DPP情報と紐づける |
| SLAM計測 | 屋内・設備・狭小部の資材位置を3Dで記録する |
| 点群データ | 完成形状と実際の資材配置を記録し、将来の維持管理に使う |
| BIM/CIM | 部材属性としてDPP情報を登録し、資材情報を一元化する |
| 出来形管理 | 使用資材と施工箇所を照合し、検査資料に活用する |
| 維持管理台帳 | 交換周期、補修方法、環境情報を施設管理に引き継ぐ |
| 解体・改修調査 | 点群で現況を把握し、DPPで再利用・リサイクル可否を確認する |
たとえば、橋梁補修工事では、補修材、防水材、舗装材、鋼材、排水設備のDPPをBIM/CIMに紐づけることで、将来の再補修時に「どの材料をどこに使ったか」をすぐ確認できます。
建築改修では、SLAMで室内を点群化し、壁材、断熱材、床材、設備機器のDPP情報を紐づければ、解体時の分別や再利用判断がしやすくなります。
DPPは、点群やBIM/CIMを「形状管理」から「材料ライフサイクル管理」へ広げる鍵になります。
導入時に注意すべきポイント
目的を「規制対応」だけにしない
DPPは欧州規制への対応として注目されていますが、建設会社にとっては業務改善の仕組みでもあります。資材情報の検索時間短縮、脱炭素レポートの効率化、維持管理情報の引継ぎ、解体時の再利用判断に使えるように設計することが重要です。
データ項目を最初から増やしすぎない
すべての資材に詳細なDPP情報を一度に整備しようとすると、運用が重くなります。最初は、主要構造材、環境負荷が大きい資材、維持管理が必要な設備、発注者確認が多い資材から始めるのが現実的です。
BIM/CIM属性との対応表を作る
DPP情報をBIM/CIMに入れるには、どの属性に何を入れるかを決める必要があります。製品ID、メーカー名、EPD番号、GWP、再生材含有率、保証期間、交換周期など、属性項目を標準化しておくことが重要です。
紙・PDF運用からいきなり脱却しようとしない
現場では、まだ紙やPDFの資料も多く使われます。DPP導入時は、既存のPDF資料を否定するのではなく、製品IDやQRコードから必要な資料へアクセスできるようにし、段階的に構造化データへ移行するほうが定着しやすくなります。
データの真正性と更新管理を考える
DPPは、古い情報や誤った情報が残ると信頼されません。メーカーが更新した仕様、廃番情報、保証条件、環境データの改訂をどう反映するかが重要です。誰がデータを更新し、誰が承認し、どの時点の情報をプロジェクト記録として残すかを決める必要があります。
現場で使えるDPP導入チェックリスト
DPPを建設資材管理に導入する際は、以下の項目を整理すると実務に落とし込みやすくなります。
- 対象資材は構造材、仕上げ材、設備機器、断熱材、補修材のどれか
- 資材ごとの製品IDやQRコードを管理できるか
- EPDやGWPなどの環境データを取得できるか
- 性能証明、適合宣言、施工要領をDPPから参照できるか
- BIM/CIM属性に製品IDや環境データを連携できるか
- 納品情報、製造ロット、施工箇所を紐づけられるか
- 維持管理台帳へ交換周期や補修方法を引き継げるか
- 解体時に再利用・リサイクル情報を参照できるか
- 脱炭素レポートに使うデータ項目を定義しているか
- メーカー、商社、施工会社、発注者のデータ責任範囲を決めているか
- データ更新時の承認フローを決めているか
- PDF資料と構造化データの移行ルールを作っているか
- KPIとして検索時間、環境データ取得率、BIM/CIM連携率を管理するか
このチェックリストの目的は、DPPを登録すること自体ではありません。資材データを設計、調達、施工、維持管理、解体、リサイクルまで使える状態にすることです。
まとめ
建設資材の管理は、「カタログを確認する」「納品書を保管する」「性能証明書を探す」という書類中心の運用から、製品仕様、EPD、環境データ、製造情報、施工情報、再利用性をライフサイクル全体で追跡するデータ管理へ移りつつあります。
デジタルプロダクトパスポートは、建設資材の情報を標準化し、機械判読できる形で管理する仕組みです。欧州では建設製品規則やエコデザイン規則の流れの中でDPPの整備が進んでおり、建設分野でも性能、適合性、環境情報、トレーサビリティを統合する基盤として注目されています。
DPPの実務的な価値は、BIM/CIM、資材調達、維持管理、解体・リサイクル、脱炭素レポートに接続できることです。KPIとしては、資材情報の検索時間、環境データ取得率、再利用可能部材の把握率、BIM/CIM属性連携率、書類確認時間を管理できます。
APEXが持つドローン、SLAM、点群、BIM/CIMの技術とDPPを組み合わせれば、建物やインフラの「形状データ」と「材料ライフサイクルデータ」を接続できます。これからの材料管理は、納品書やカタログを確認するだけでなく、資材をデータで追跡し、設計から解体・再利用まで活用する時代へ進んでいくでしょう。





