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Noble Audio FoKus Prestige Encore:職人仕立ての木製ケースと4ドライバー構成で極めるワイヤレスHi-Fiイヤホン

Noble Audio FoKus Prestige Encore(画像提供:Noble Audio)
Noble Audio FoKus Prestige Encore(画像提供:Noble Audio)

先週の都内オーディオイベントでも感じましたが、最近の完全ワイヤレスイヤホンは「便利さ」を競う製品が本当に増えました。ノイズキャンセリング、通話性能、アプリ連携、装着検出――どれも日常使いには大事です。ただ、その流れの中でも Noble Audio FoKus Prestige Encore は少し違う立ち位置にあります。
このモデルは、“便利なワイヤレスイヤホン”というより、ちゃんと音を聴きたい人のためのラグジュアリーなTWS という印象が強いです。見た目からしてそうですが、中身もかなり本気です。実際に、Noble Audio公式製品ページでも木製ハウジングや4ドライバー構成など、このモデルならではの個性 が前面に出されています。

まず目を引くのは、やはり木製ハウジングと木製ケースです。完全ワイヤレスイヤホンでここまで“工芸品っぽさ”を押し出した製品は珍しく、かなり印象に残ります。木目には個体差があるため、同じ見た目のものがほとんどないという点も、量産品とは違う面白さです。正直に言うと、木製ケースという発想はかなり珍しいです。機能面とは別に、持ったときの気分が少し変わるタイプの製品だと思います。
見た目だけで終わらないのもこのモデルの面白いところで、本体にはCNC加工されたソリッドウッド素材が使われています。単に高級感を演出するための装飾ではなく、「所有感」まで含めて設計しているのが伝わってきます。

ただ、FoKus Prestige Encoreの本質はデザインだけではありません。音響構成を見ると、かなり攻めています。
搭載されているのは、8mmダイナミックドライバー1基、Knowles製BAドライバー2基、そして6mm平面磁界ドライバー1基の合計4ドライバー構成です。低域、中域、高域をそれぞれ別のユニットで受け持つ3ウェイ設計になっていて、完全ワイヤレスとしてはかなり贅沢です。こうした仕様は、公式スペック一覧 でも確認できます。

この構成を見てまず思うのは、「普通のTWSとは考え方が違うな」ということです。最近の高価格帯ワイヤレスイヤホンでも、シングルダイナミックか、せいぜい2ドライバー程度が一般的です。それに対してFoKus Prestige Encoreは、有線IEMの発想をかなり真面目にワイヤレスへ持ち込んでいるように見えます。
特に高域側に平面磁界ドライバーを使っている点は面白く、派手な音を狙うより、スピード感や空気感、細かいニュアンスの描き分けを重視しているように感じます。こういう構成は、スペック表を見ただけでもオーディオ好きには刺さります。

ワイヤレス機能も妥協していません。
Snapdragon S3 Gen 1 Sound Platformを採用し、Bluetooth 5.4、マルチポイント、TrueWireless Mirroringに対応 しています。コーデックも aptX Lossless、aptX Adaptive、LDAC、AAC、SBC とかなり幅広く、ハイレゾ志向のユーザーを意識しているのが分かります。
通話面ではデュアルマイクとcVcノイズ抑制も搭載されていて、音楽用に偏りすぎず、日常用途も一応きちんと押さえています。

ここで少し比較しておくと、このモデルは AirPods Pro 2Sony WF-1000XM5 のような“総合力型”とは少し方向が違います。
AirPods Pro 2はApple製品との連携や空間オーディオ、装着感のバランスが非常に強いですし、WF-1000XM5はノイズキャンセリングや完成度の高さで広く選ばれています。どちらも日常使いの優等生です。
一方でFoKus Prestige Encoreは、そうした万能型ではなく、音の質感や構成の贅沢さ、持つ楽しさを優先したモデルです。ノイズキャンセリング最優先の人には別の選択肢もありますが、「ワイヤレスでももっとオーディオ寄りに楽しみたい」という人には、かなり魅力的に映るはずです。

バッテリー性能は、ANCオフで最大10時間、ANCオンで最大7時間、ケース込みで最大35時間。さらに10分の急速充電で約2時間再生できる仕様です。しかも、Qiワイヤレス充電とUSB-C充電の両方に対応 しているので、日常使いで困る場面は少なそうです。
このあたりは“高音質モデルだから不便”という印象をうまく避けています。極端に長時間駆動というわけではありませんが、十分実用的です。

面白いのは、Audiodo Personal Sound に対応していることです。ユーザーごとの聞こえ方に合わせたサウンド調整ができ、そのプロファイルをイヤホン本体側に保存できる のは、単なるEQ以上の価値があります。
専用アプリではEQ調整やタッチ操作の変更、ファームウェア更新も行えます。最近の高級TWSとしては自然な装備ですが、FoKus Prestige Encoreの場合、単に多機能というより音の最終調整まできちんと配慮している印象です。

ノイズキャンセリングについては、ハイブリッドANCとHearThroughモードを搭載しています。ただ、ここは明確に“最強ノイキャン機”を狙った製品というより、高音質設計を優先しつつ、普段使いに必要な機能も載せたというバランス型に見えます。
このあたりもAirPods Pro 2やWF-1000XM5との違いです。通勤用の静けさを最優先するなら他の候補も強いですが、音をしっかり聴きたい人にはこの方向性のほうが納得感があるかもしれません。

価格は699ドル。完全ワイヤレスイヤホンとしてはかなり高額です。
ただ、この価格を見て「高すぎる」と感じるか、「ここまでやるならむしろ分かりやすい」と感じるかで、この製品への評価はかなり変わると思います。個人的には、FoKus Prestige Encoreは“コスパ”で選ぶモデルではありません。
むしろ、量産的な優等生イヤホンでは物足りない人が選ぶ、かなり趣味性の強いTWSです。木製ハウジングもそうですし、4ドライバー構成もそうです。こういう製品が今の完全ワイヤレス市場に存在していること自体が少し面白いです。

結局のところ、FoKus Prestige Encoreは「誰にでもおすすめできる万能機」ではありません。
その代わり、ワイヤレスでも音質と所有感に妥協したくない人には、かなり強く刺さる可能性があります。最近は便利さの競争が激しいぶん、ここまで“趣味の道具”として作られた完全ワイヤレスはむしろ目立ちます。
木製ハウジングは見た目の話だけではなく、このモデル全体の思想を象徴しているようにも感じます。便利で均一な製品が増える中で、少しクセがあって、でもちゃんと魅力がある。FoKus Prestige Encoreは、そういうイヤホンです。

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