Xの新しいブロック機能のアップデートに非難の声
かつてTwitterとして知られていた「X」は、ブロック機能の物議を醸す新しい変更を導入したと発表しました。このアップデートにより、ユーザーが誰かをブロックしても、ブロックされた相手はその人のプロフィールや投稿をフィードで閲覧できるものの、直接的なやり取りはできなくなります。この変更は大きな批判を呼び、特にストーカーや虐待を受けた元パートナーなどが、対象を監視しやすくなるとの指摘が相次いでいます。
批判者は、ブロックされたユーザーが投稿をスクリーンショットし、自分のフォロワーに嫌がらせを促すリスクが高まると主張しています。Xは10月にこの変更を発表した際、ブロック機能が時に悪用され、相手の気づかない間に有害な情報をシェアされることがあるため、透明性を高めるための措置だと説明していました。Xの公式声明では、「現在、ブロック機能が一部のユーザーによって有害またはプライベートな情報をシェアし、隠すために使用されています。このアップデートにより、そうした行為が見えるようになり、透明性が向上します」と述べています。Xの声明はこちら。しかし、土曜日に発表されたこの声明には批判の声が多数寄せられ、「誰もこの変更を望んでいない」といったユーザーの声が目立ちました。
プライバシーの懸念と個人の境界の危機
ブロックされた相手が他のアカウントを使ってプロフィールを見ることは可能ですが、ユーザーはブロックによって生まれる摩擦や距離感がなくなると感じています。このアップデートにより、ストーカーや嫌がらせを行う者が継続的にターゲットの投稿にアクセスしやすくなるリスクが生まれ、コンテンツの閲覧者に対するコントロールが低下するとの懸念が広がっています。
これは、イーロン・マスク氏が指揮をとるXが実施した物議を醸す変更の最初の事例ではありません。以前にも投稿への「いいね」が誰からついたかを非表示にする変更が抵抗を受けましたが、最終的には受け入れられ、センシティブなコンテンツへの「いいね」に対する不安が軽減されたと感じるユーザーもいました。ただ、今回の変更が透明性向上を理由にしている一方で、「いいね」の非表示が可視性を下げたのと矛盾すると指摘する声もあります。
ガイドライン違反の可能性と競合他社の台頭
この変更がアプリストアのポリシーに違反する可能性があるとも指摘されています。たとえばAppleのガイドラインでは、「サービス上の迷惑ユーザーをブロックする機能」を備えることがアプリに求められています。イーロン・マスク氏の指導下でXとAppleの関係は比較的良好で、Appleは早期にXへの広告再開を決めましたが、この変更がAppleの基準にどのように影響するかは不明です。
イーロン・マスク氏によるモデレーション方針の変更に不安を抱いたユーザーがXから離れ、代わりにBlueskyやThreadsなど他のソーシャルプラットフォームが支持を集めています。Blueskyは1300万人以上のユーザーを獲得し、Threadsも2億7500万人以上に達しました。
イーロン・マスク氏の影響と来年の選挙
マスク氏の右派的で物議を醸す投稿が増えており、選挙を控える中でユーザーのフィードに頻繁に現れています。Fortuneの調査によれば、マスク氏の投稿はアカウントを検索しなくてもユーザーのフィードにわずか2回のセッション内で表示されるといいます。この傾向により、Xが今後の選挙に与える影響についても注目が集まっています。
新しいブロック機能の変更がユーザー体験にどのような影響を与えるか、そしてソーシャルメディアの進化する競争環境の中でXがどのような立場を取るかが今後の焦点となっています。