これまでWhatsAppでは、新しい相手とやり取りを始める際には電話番号の交換が欠かせませんでした。しかし、その仕組みが大きく変わろうとしています。MetaはWhatsAppに「ユーザー名(Username)」機能を導入し、電話番号を相手に公開することなく、ユーザー名だけで連絡を取れるようにしました。これは、プライバシー保護を強化しながら、より気軽に新しいつながりを築けることを目的としたアップデートです。
仕事やコミュニティ活動、オンラインマーケット、趣味のグループなど、さまざまな場面でメッセージアプリを利用する日本のユーザーにとっても、この新機能はコミュニケーションのあり方を大きく変える可能性があります。
電話番号ではなく「ユーザー名」でつながる時代へ
これまでWhatsAppのアカウントは、携帯電話番号と直接紐付けられていました。そのため、家族や友人との連絡には便利である一方、イベントで知り合った人や海外のビジネスパートナー、オンラインコミュニティのメンバーなど、まだ信頼関係が十分ではない相手に電話番号を教えることへ抵抗を感じる人も少なくありませんでした。
新たに導入されるユーザー名機能では、それぞれが固有のユーザー名を設定でき、相手は電話番号ではなく、そのユーザー名を使って連絡を取ることができます。
なお、この機能は任意で利用できるため、従来どおり電話番号を使い続けることも可能です。利用スタイルに合わせて選択できる点も特徴です。

プライバシー保護を最優先に設計
今回のアップデート最大の目的は、プライバシー保護の強化です。
現在、電話番号は銀行口座や各種オンラインサービス、二段階認証など、多くの重要なアカウントと紐付いています。そのため、不必要に電話番号を公開することは、個人情報漏えいのリスクにつながる可能性があります。
WhatsAppのユーザー名機能では、初めて連絡を取る相手にも電話番号を知らせる必要がなくなります。
さらに、WhatsAppは公開型のユーザー検索ディレクトリを採用していません。誰かに連絡するには、その人の正確なユーザー名を知っている必要があります。そのため、ランダムな検索による迷惑メッセージや不要な接触を減らせる設計となっています。
個人情報の取り扱いに慎重な利用者が多い日本において、この仕様は安心して利用できるポイントの一つといえるでしょう。
ユーザー名は早めの予約がおすすめ
WhatsAppの利用者数は世界で30億人を超えており、人気のあるユーザー名は早い段階で埋まってしまう可能性があります。
そのためWhatsAppでは、本格提供に先立ち、ユーザー名の予約受付を開始しました。対象地域では、**「設定」→「アカウント」→「ユーザー名」**から希望するユーザー名を登録できます。
また、企業やクリエイター、各種団体は、FacebookやInstagramで利用している名称と同じユーザー名を確保できるよう配慮されています。さらに、公的機関や著名人については、一部のユーザー名が保護され、なりすまし防止にも取り組んでいます。
「ユーザー名キー」でさらに高い安全性を実現
WhatsAppは、ユーザー名だけでなく、さらに安全性を高める仕組みも導入します。
新たに追加される「ユーザー名キー(Username Key)」は、信頼できる相手だけに共有できる短い認証コードです。この機能を有効にすると、たとえユーザー名が知られていても、相手がこのキーを持っていなければ最初のメッセージを送信できません。
特に、クリエイターや企業担当者、フリーランスなど、多くの人から連絡を受ける可能性があるユーザーにとっては、不必要なメッセージを減らしながら安心して活動できる便利な仕組みとなりそうです。
日本のユーザーにとってどのようなメリットがあるのか
日本国内では、WhatsAppは他の主要メッセージアプリほど普及していないものの、海外の友人や留学生、旅行者、国際企業、海外とのビジネスなどでは広く利用されています。
今回のユーザー名機能により、電話番号を交換しなくても最初のコミュニケーションを始められるようになり、国際的なやり取りのハードルがさらに低くなるでしょう。
海外留学を目指す学生や、海外企業と仕事をするビジネスパーソン、フリーランス、旅行好きの若い世代にとっては、利便性とプライバシー保護を両立できる魅力的なアップデートといえます。
一方で、ユーザー名は自身のオンライン上の「顔」となるため、本名をそのまま使うのではなく、個人情報を過度に含まない覚えやすい名称を選ぶことも重要です。
プライバシー時代にふさわしい新しいコミュニケーション
WhatsAppのユーザー名機能は、単なる新機能ではありません。個人情報をできるだけ公開せず、安全にコミュニケーションを行うという、デジタル時代の新しい考え方を反映したアップデートです。
今後もメッセージアプリには、利便性だけでなくプライバシー保護を重視した機能が求められるでしょう。WhatsAppの今回の取り組みは、その流れを象徴する重要な一歩として、多くのユーザーから注目を集めそうです。





